紫
□想い《李絳攸》
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離れたくないのは何故だろうか…?
『単なる腐れ縁』のはずだった楸瑛を、俺をからかって遊ぶ楸瑛を、今の俺は。
…頼りにしている、信頼している。
本当は理由など、わかり切ったこと。
惹かれた…。
落ち着きのある言動、人当たりのよい笑顔。そして言いたくはないが…。
整った顔にも。
でもそれは、人として凄いと思ったまでで…。
好きとか、嫌いとか、そんな簡単なものではなかった。
正直俺は頭を使うことしか器用にできなかったから、きっとある種の『憧れ』だと思っていた。
まだ気持ちが片付くはずはない。
でも……。
楸瑛と一緒に働けるのは、嬉しいんだ。
今までの関係は、もう続けられないのか…?
「忘れられない言葉」
…李絳攸