紫
□重ねた想いと言葉と手と… 《前編》
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「……ん…っ、ん…」
静かな執務室の中、くぐもった声が聞こえる。
「んっ…ん………ぁ、っ」
背中を壁に触れさせている絳攸に、楸瑛が覆いかぶさるような状態で抱き付いている。
二人の間からは、クチュクチュと濡れたものが絡み合う音と漏れる吐息が聞こえてきた。
それは二人が深い口づけをしていることを表している。
離したくないというように、互いの体にしっかりと腕を回して…。
休憩時間の二人きりの執務室で、静かに繰り返される秘め事。
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