Infinite Stratos:Re

□第二夜
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「うぅ……」



 放課後、一夏は真っ白になったボクサーのように精魂尽き果てていた。
 放っておくと魂が口から出てきそうなぐらいだ。……こういうハルヒコを何度か見たことあるな。


「い、意味がわからねえ、何語だよ」



「日本語だろ」



 俺は一夏に頼まれて自習に付き合っていた。



「ああ、織斑くん。まだ教室にいたんですね。よかったです」



「はい?」



 不意に聞こえた声に振り向くと副担任の山田先生が書類を片手に立っていた。



「えっとですね、寮の部屋が決まりました」



「俺の部屋、決まってないんじゃなかったですか? 前に聞いた話だと、一週間は自宅から通学してもらうって話でしたけど」



「そうなんですけど、事情が事情なので一時的な処理として部屋割りを無理矢理変更したらしいです。……碧海くんはどうするんですか?」



「どうって……ホテル泊まってます」



 ホテル!? 家じゃないの!? と、一夏が騒ぐ。



「池袋からここまで約三時間。流石に通うのはダルいから」



「そ、そうですが。金銭面的にかなり負担が……」



「あー……金銭には結構余裕があるんです」



 政府から支援に奪還屋として稼いだらお金。
 結構な額が俺にはある。
 別段余裕があるわけでもないが。


「……でも一人暮らしは何かと危ないですし」



「俺、十八ですし。そこら辺は平気ですよ」



「ですが……」



 そこで何か閃いたのか、少し待つように言って、山田先生は教室から急いで出ていった。



「あんな急いで大丈夫か……?」


「涼夜兄、あの人も教師なんだから大丈──」



「夫、と言い切れるか?」



「言い切れない……!」






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