Infinite Stratos:Re

□第三夜
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 月曜。つまりは決闘当日。
 試合は最初に一夏vsオルコット。次に俺vsオルコットで、最後に俺vs一夏らしい。



「なあ、箒」



「なんだ、一夏」



「気のせいかもしれないんだけど」



「そうか。気のせいだろう」



 ふむ。数日前から仲が悪くなっていたけど、もうそれは無いみたいだ。



「ISのことを教えてくれる話はどうなったんだ?」



「……」



「目 を そ ら す な」



「し、仕方が無いだろう。お前のISが無かったのだから」



「まあ、そうだけど──じゃない! 知識とか基本的なこととか、あっただろ!」



 ちなみに俺は、ISについてのことを箒に一任した。
 一応、気をつかったつもりだ。
 間違っても面倒だったわけじゃない。



「……」



「目 を そ ら す な っ」



 ちなみに一夏の専用機はまだ届いてない。



「とりあえずお前ら、夫婦漫才はそれくらいにしておけ」



「いやいや、漫才じゃないから」


「だ、誰が夫婦だっ!」



 そんなことをしてる間に、ピットのドアが開いて中に駆け込んできたのはおなじみの副担任山田先生。



「あ、碧海君碧海君碧海君っ!」



 なぜ三回も呼んだ。



「なんですか?」



「お、織斑君の専用機が届くのが少し遅れるそうなんです!」



「落ち着いてくれ、先生。はい、深呼吸」



「は、はいっ。す〜は〜、す〜は〜」



「はい、ストップ」



「うっ」



 おォ。ホントに止まった。
 どんどん酸欠で顔を赤くしていく山田先生。



「……」



「……ぷはあ! ま、まだですかあ?」



 パアン! と俺の額に衝撃。



「目上の人間には敬意を払え、馬鹿者」



 山田先生の後ろから織斑先生が入ってきた。



「……すいませんでした」



 信じられるか? 今の攻撃、遠距離攻撃なんだぜ? しかも何処から取り出したのかチョーク。



「そ、それでですねっ!」



 あー。



「俺が先にやるんですね?」



「あ、はい。大丈夫ですか?」



「大丈夫ですよ」



 ISの起動時間はともかく、実戦経験でオルコットに劣るとは思えないし、策もある。



「碧海、これが今回お前の使用するISだ」



「はい……勝って来ますよ」



 そう言うと、織斑先生は少し嬉しそうに、そうか、と言った。



「涼夜兄……負けないよな?」



「俺より自分の心配をしろ……俺達の戦いをちゃんと見とけよ?」



「ああ……!」



 一夏は理解している。
 まァ、俺と箒と竹刀による打ち合いを見ているし、こちらの実力は把握しているだろう。



「涼夜……」



 心配そうにこちらを見る箒。
 呼び捨て、ね。
 別に良いけど。



「お前ら……そんなに俺が弱そうか?」



「……ISの起動時間は少ない」


「まァ、オルコットは俺の三百倍は動かしてるだろうな」



 俺の起動時間は精々一時間。
 オルコットの情報を見た限り、軽くそれ位の差があった。



「ハンデとしては足りないけどな」



 そう言い、自分でも判る程の余裕の笑みを浮かべてみせる。



「じゃ、行ってくるな」



 箒の頭をぽんぽん、と叩き俺はゲートに足を運んだ。







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