Infinite Stratos:Re

□第十五夜
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校外実習明けの日曜日。
俺、碧海涼夜は折角の休みだと言うのに生徒指導室に呼び出されていた。



「……なぜ呼ばれたか分かるな?」



「判りません」



織斑先生の問い掛けに間髪入れずに答えた結果、パアン! と出席簿で叩かれた。
 防いだ左手が赤く染まっていく。


「……鵺哭のことですか?」



「それもある」



 それも、ね。
 つまりまだ他にもあると。



「お前、隠していることがあるな?」



「……さて、どうでしょうか」



 そう来るか、と目で語った後に織斑先生が口を開く。



「……一つ目は学年別トーナメントの時。二つ目は、お前も言ったようにそのIS。三つ目は──」



「あー、もういいです。判りました」



 これは逃げられそうにない。



「……意外に折れるのが早いな」


「俺もそろそろ話さないといけないと思ってたんですよ」



 本来なら学年別トーナメントで魔具が使われた際に話すべきことだ。



「ここじゃアレなんで……俺の部屋に来ませんか?」



「盗聴の心配はない」



 それはあくまでも現代科学の話だ。



「念には念を、ですよ。俺の部屋なら確実なので」



 俺の部屋は四方に魔具を埋め込み、俺の領域にしてある。……と言っても誰かに探知されると嫌なので、あくまで盗聴や盗撮されない程度の力で、だ。
 そんなこんなで俺の部屋。



「お茶でいいですか?」



「ああ」



 そう言いながら織斑先生が何故か玄関に向かい扉を開ける。



「「!?」」



「何をしている、馬鹿共」



 そこにいたのは一夏とシャルの二人だ。



「い、いや、千冬姉にも春が来たのかな──ぶっ」



 言いきる前に一夏の頭を織斑先生が思いっきり叩いた。



「まァ、ちょうどいいか」



 デジャヴュを感じる光景を目の前に呟いた俺に、目を向ける三人。



「シャル、他の連中を連れてきてくれ」



 他の連中とは当然、箒、セシリア、鈴、ラウラだ。



「え?」



「少し……大事な話をする。……織斑先生も構いませんよね?」


「……勝手にしろ」



 俺の真剣な雰囲気に何かを悟ったのか、シャルは四人呼びに急いだ。






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