Infinite Stratos:Re
□第二夜
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◇
帰宅するのには、やるべきことがある。
男性教師用のトイレに行き、私服に着替えることが一つ。
黒のカラーコンタクトをいれることが一つ。
伊達眼鏡をかけることが一つだ。
理由は一つ。
俺が“二人目”であることを隠すためだ。
織斑一夏に続いてISを動かした男。
マスコミからはそう報道されたいるだろう。
厄介な……。
こういう場合の変装は下手に力を入れるより、眼鏡等で軽く済ませた方がバレないものだ。
俺の場合は元々がオッドアイな為に、カラコンと眼鏡でも大分変わって見えるのだ。
全ての過程を終え、手提げ鞄に制服をたたんで入れた俺はトイレからでる。
「ど、どちら様ですか!?」
……本日何度目かの焦った声。
「ここは関係者以外は──」
「俺、碧海です」
「…………へ?」
間抜けな声を漏らす、我らが副担任である山田先生。
「碧海涼夜です」
「あ、碧海君ですか!?」
「はい」
それにしても……さっきまで引き摺られて割には元気だな。
「ご、ごめんなさい! 余りにも雰囲気が違ったもので……その、ですね……」
勘違いをした恥ずかしさからか、顔を赤くする山田先生。
「あー、いや。俺だと気付かれないように変装してるんで……気にしないでください」
「そ、そうですか?」
「そうですよ」
ふむ。
やっぱり、変装はこれ位がベストかな?
山田先生は、全然判らなかった様子だし。
……いや、この人なら気付かないのも納得できるな……。
「それでは先生、また明日」
「あ、はい! また明日、気を付けて帰ってくださいね」
「はーい」
未だに気にしてるようなので、早々に切り上げさせてもらうことにした。
それにしても……毎日これはダルいな。
◇