Infinite Stratos:Re

□第二夜
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「そういうのは涼夜くんに任せるといいよ」



「あ?」「え?」



 ヒロさんの発言に同時に似た反応をする俺と五反田。



「“あ?”じゃなくて。もしかして話聞いてなかった?」



「すまない。考え事を……」



 二人が話している間、つい色々と考えてしまった。
 一夏と箒のこととか、決闘のこととかな。



「パソコンの調子が悪いんだって、そういうの得意だろ?」



 あー……そういうことな。



「見てみないことになんとも言えない」


 と、いうわけで。
 五半田家パソコン前。



「どうですか……?」



「あー、これなら直せる」



 パソコンのディスプレイには次から次へとエクスプローラのウィンドウがひらかれ続け、タスクバーは細切れだ。
 最近よくあるウィルスだ。



「ほ、ほんとですか?」



「あァ」



「さすがは涼夜くん」



「ヒロさん! と誰だ! お前!?」



 ん? 最後のは誰だ?



「や、弾くん」



「ちょっ、バカ兄! この人はヒロさんの友達!!」



「え?」



 なんか後ろで騒いでいるうちに、俺のもう一つのスマートフォンタイプの携帯を取りだし、パソコンに接続しウィルス除去ソフトをインストールしておく。
 さて、と。



「五半田兄」



 で、あってるよな?



「は、はい!?」



 ……何故か正座している五半田兄。
 そして何故か凄くビクビクしている。
 あんたら一体なにしたんだ?



「“金髪巨乳無修正百八十分”」



「なっ! 何故それを!!??」



 固まる五半田妹と声をあげる兄。そして納得顔のヒロさん。



「いや、直すついでに原因を調べたんだがな……あんなもんに騙されんなよ……」



「まあまあ、涼夜くん。彼も男の子なんだよ」



 だってこれは平坂の莫迦共と同レベルだ。



「あの……どういうことですか?」



「要は五半田兄がいかがわしいサイトのいやらしい動画をダウンロードしようとしたのが原因ってこと」



「へえ……そうなんですか」



 びくっ、と震える五半田兄。
 妹に睨まれてそこまで震えるか。蛇に睨まれた蛙だな。


「とにかくありがとうございます。本当に助かりました」



 先ほど兄を睨んでいたとは思えないほどの素敵笑顔を向けてくる。


「気にすんな」



 俺は内心、女は凄いな、と思いながらも普段と同じように返す。



「またなんかあったら、おれに連絡してよ。そうしたら涼夜くんに頼むし」



 おィ。



「はい!」



 面倒な……。
 つか、ヒロさんは五半田妹と仲良くなりたいだけだろ。






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