Infinite Stratos:Re

□第三夜
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「本当に凄いですね、碧海君」



 ピットで観戦していた山田先生が心底感心したように呟く。



「IS稼働時間がまだ一時間くらいしかやっていないのに、あそこまで動けるなんて凄すぎます」



 キラキラと目を輝かす山田先生。


「何かコツでも掴んだのでしょうか?」



 隣で同じように観戦している織斑千冬に問いかける。



「あいつの場合は戦闘慣れだな」


「戦闘慣れ……ですか?」



「ああ。読んで字のごとく、戦いに慣れている」



 でもそれは──。



「私が入試で戦った際もそうだった。一般人にあるはずのない思考、判断であいつは戦っていた」



「えっと……じょ、冗談ですか?」



「さてな。しかし……あいつも手を抜いているな」



 ──ひどく悲しい力だ。



「そうなんですか?」



「ああ」



(と言うより)



 千冬はチラリと山田先生とは反対にいる、弟と親友の妹を見る。



(あいつらの為か)



 一夏の場合はこの後すぐに。
 箒だっていつか戦うだろう。
 その二人に戦いを長く見せる為に手を抜いているのだろう。











「……」



「……凄いな、涼夜」



 箒が呟くが返事がなく、横目に一夏を見てみる。
 そこには信じられない程の真剣な表情で、戦いを凝視する一夏がいた。
 少しだけ驚いた箒だが、すぐに自分も戦いに集中する。
 もう心配する必要はない。
 涼夜は勝つ。一夏と箒は確信していた。











 すごい。
 ただただそれだけしか浮かばない。
 だってそうだろ。
 武器は剣だけ。
 セシリアと相性は最悪なはず。
 なのに涼夜兄はさっきからぜんぜん攻撃はしてないものの一回もあの射撃やビット攻撃をくらっていない。
 俺もあんな風にできるのか……?
 いや、今は集中だ。
 きっと涼夜兄はわざと勝ちにいってない。
 それは次に戦う俺の為だ。
 涼夜兄の気遣いを無駄にするわけにはいかない!






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