Infinite Stratos:Re

□第七夜
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 今現在俺は自室でシャワーを浴びている。



「……」



 シャルルはまだ部屋に戻ってきていないが。
 そういえばシャルルに関してだが、やはり女だ。
 別に確かめたわけではないが、情報屋“折原臨也”に調べさせたのだ。
 嫌いな情報屋だが、その情報網は広い。……金は取られたが。
 キュッ、とシャワーを止めると外から俺を呼ぶ声が聞こえた。



「──碧海くーん、いないんですかー?」



 この声は山田先生だな。
 俺は慌てて体を拭き、下着とズボンをはく。とりあえず、シャツを掴みシャワールームを出た。



「あ、なんだ、いるじゃないです──か」



 あ。
 俺がまだ上半身裸なのを知るわけもない山田先生が、勝手に中に入りやがった。



「……碧海君……はだか…………たくましい…………抱かれ……」



 物凄い勢いで顔を真っ赤にした山田先生は、良く判らない呟きをしながら倒れた。



「…………涼夜?」



「……何も言うな」



 なぜこのタイミングで戻ってきたシャルル。
 山田先生を中に入れ、シャルルに何があったかを説明していると、説明が終わるとほぼ同時に山田先生の目も覚めた。



「あれ……私……なんで……」



「先生は扉の前で倒れてたんですよ」



「え? そ、そうなんですか?」



 本当のことを言ってまた倒れられるのも面倒なので、適当に誤魔化す。



「あァ。な、シャルル」



「え? あ、うん。先生は倒れてたましたよ?」



 あ、俺いま一瞬タメ口だった。……いいか。
 シャルルに振ると少し驚いた様だが、俺の意図を察してくれた。



「それで……先生は何か用が?」



「あ、はい。今月下旬から大浴場が使えるようになります。結局時間帯別にすると色々と問題が起きそうだったので、男子は週に二回の使用日を設けることになりました」



「そうですか」「そうなんですか」



 山田先生の言葉に似たような反応で返す俺とシャルル。
 冷めてるわけでもなく興奮してるわけでもない、そんな感じだ。



「……」



 そんな俺達を不思議そうに見つめる山田先生。



「えと……嬉しくないんですか?」



「え、嬉しいですよ。シャルルもだろ?」



「あ、う、うん」



 あー、シャルルは女の子だからな。



「あ、そうですか。良かったです」



 俺達の返答に満足したのか、山田先生は笑顔で部屋から出ていった。
 山田先生が出ていき、今度はシャルルがシャワーを浴び始める。



「涼夜兄ー」



「……一夏、部屋主の返事を待たずに部屋に入るな」



 一夏がいきなり部屋に入ってきた。



「あれ? シャルルはシャワーか」



「あァ、お前はどうした?」



「あ、うん。シャワーを借りたいんだ」



 うん?



「自分の部屋は?」



「ちょっと今は……」



 こいつまた箒と喧嘩したのか。
 ……。
 話を聞いてみたが、要約すると……アリーナを出た後に山田先生から大浴場の使用許可をもらった際に、興奮して山田先生の手を握ったら何故か箒が怒り出したらしい。
 ……何故か怒り出したって、お前。



「あ、あの……涼夜」



 シャワールームから籠った声が聞こえてきた。



「どうした?」



「その……ボディーソープが……」



「あァ、ちょい待ち」



 切れたのか。
 ……どうやって渡せばいい?



「ボディーソープってこれだろ?」



 一夏がテーブルの脇に置かれたボディーソープに気付く。



「あ、ちょっと待て一──」



 俺の静止を訊かずシャワールームへ突撃する一夏。
 タイミングが悪かった。
 本来ならシャワールームに扉。扉を出た所に洗面所。洗面所に扉があるのだが。
 ちょうどシャルルが洗面所に体を出していたわけだ。



「い、い、いち……か……?」



「え、えっとだな……えーと……」



「きゃあっ!?」



 可愛らしい悲鳴の後にシャワールームの扉を閉める大きな音が響く。



「……ボディーソープ……ここに置いとくから……」



 一夏が茫然としながら洗面所から出てくる。



「…………」



 彼の顔が赤い辺り、一夏も健全な男子高生なのだろう。



「やっぱりお前……」



 一夏がゆっくりとこちらを見る。



「ラッキースケベだ」



「……ひ、否定出来ねえ……」



 そもそもさせねェし。






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