Infinite Stratos:Re
□第八夜
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◇
「……よォ」
「……貴様か」
和気あいあいとする生徒達いる中、一人でたっているボーデヴィッヒがいた。
「……シャルルの相手は俺がする」
「……なに?」
一夏達には悪いがな。
「一夏とはサシで試合いたいだろ? 邪魔は入らない様にしてやる。……つってもどこまでやれるか判らないが」
「私一人で充分だ」
「そう言うなよ。俺だって戦いたい」
ジッと俺を見つめてくるボーデヴィッヒ。
「……私の邪魔はするなよ」
どうやら認めてくれたようだ。
相変わらずムスッとしているが。
「無論だ」
さて、頼むぜ一夏。
孤高と孤独を履き違えている女の子を救うのはヒーローの役目なんだぜ。
◇
「一戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ」
「そりゃあ、なによりだ。こっちも同じ気持ちだぜ」
試合開始までもうすぐであろう。
「涼夜、何で……」
「本気で来いよ? じゃないと一瞬で終わる」
我ながら安い挑発だ。
シャルルが乗るわけない。
一夏が何も言ってこないのは……あいつはあいつで納得したんだろうな。
(涼夜兄はいつだって皆の味方であろうとする。……ラウラとペアなのは驚いたけど、不思議と納得できた。……やっぱり格好良いなあ)
試合開始まで五。
四。
三。
二。
一。
開始。
「「叩きのめす」」
一夏とボーデヴィッヒの言葉は奇しくも同じだった。
「おおおっ!」
「ふん……」
一夏の瞬時加速〈イグニッション・ブースト〉に合わせるようにボーデヴィッヒが右手をつきだす。
(──来る!)
◇
「AIC? なんだそれ」
「涼夜、説明」
「あ? ……シュヴァルツェア・レーゲンの第三世代兵器だ。アクティブ・イナーシャル・キャンセラーの略で……慣性停止能力だ」
鈴に言われ渋々と説明する涼夜。
「ふーん」
「ちなみに一夏さん、PICはご存じですわよね?」
「知らん」
「……涼夜さん」
「……パッジブ・イナーシャル・キャンセラー。ISはこれによって浮遊、加速、停止をしている」
また俺? と顔をしかめるが結局説明する涼夜。
「ああー……あれか」
「あんた本当に分かってる?」
呆れる鈴に、分かってるよ! と返す一夏。
「対策、考えるんだろ?」
涼夜の一言に漸くまとまり出す一同。
「涼夜兄は解除してたよな?」
「公式戦ならアウトだと思うよ」
ISを解除して動揺を誘う。
だが公式戦においては当然使えないというシャルル。
その後も、あれは違う。これは無理だの、無駄な時間が過ぎていく。
「……アレもエネルギーなんだ。一夏の零落白夜なら斬れるんじゃないか?」
「……理屈の上ではそうだね」
「俺、止められたんだけど」
「あんたの腕を直接止めたんでしょ」
「腕を? ピンポイントで?」
「一つ申し上げるのなら、一夏さんの動きは──」
「読みやすいのよ」
そんな会話をした数日前。
◇
始まりと同時に特攻。
意外性を狙ったのか。
だが甘い。
すぐに一夏の動きは停められてしまった。
「開始直後の先制。わかりやすいな」
「……以心伝心で何よりだ」
ガキン! と巨大なリボルバーの回転音が轟き、白式を捉える。
「させないよ」
「お前もな」
「ッ!?」
「ちっ……!」
俺の近接ブレードを避けながらも一夏を狙うボーデヴィッヒのカノンを反らしたようだ。
「碧海涼夜! 真面目にやれ!」
「……了解」
……怒鳴られてしまった。
◇