猫シリーズ

□バッドエンドの奇跡
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そしてその夜。
いつもより一時間遅く
政宗様は帰ってきた。
そして待ち受けるは
仁王立ちのご立腹主人。
政宗様はリビングに入るなり
綺麗な土下座をした。

「た……ただいまhoney」

「おかえりなさいませ馬鹿宗様」

「あ、あのな小十郎」

「言い訳無用です。小十郎を盗撮しようなど…犯罪ですよ、犯罪」

「俺はお前の存在自体犯罪だと思うぜ?」

「小十郎も政宗様は存在自体が罪だと思います」

「あ、なんか泣きそう」

「泣けばいいじゃないですか。小十郎ばかりが鳴かされるのは不平等ですから」

「そうそう、昨日の夜のお前は自ら挿入…っいてええ!なに蹴ってんだよ!本気だろ今の!」

「本気で蹴らないといけない気がしたので」

「なにその笑顔!cuteだけど怖い!」

「脱臼か骨折するまで蹴りますよ?」

「ちょ、怖あああ!」

「小十郎は政宗様の朝御飯にちょっとでも感動したことを心から後悔しております」

「え、いきなり?」

「まあカメラに気付いた時はやっぱり変態じゃない政宗様は政宗様じゃないなと再確認いたしました」

「俺の扱い……」

「今夜は寝かせませんからね、政宗様?」

「性的な意味で言って欲しかったあああああ!」



吾輩は学んだ。
主人には逆らわない。
政宗様の言うことは
あまり聞いてはいけない。

政宗様の絶叫が響く中、
吾輩は飛び交うネギから
身を守るために
テーブルの下へ避難して
ガタブルしていたのであった。

しかしその後返り血で
真っ赤に染まった主人に
「明日首輪買いに行こうな」と
言われてすぐに吾輩は
テンションを取り戻した。
政宗様は…自業自得にゃ。











バッドエンドの奇跡

(小十郎、股間がいてえ)
(で?っていう)
















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