bl(2)

□サブタイトル
5ページ/5ページ




―――――――――――…



「……ん、」

凛々と鈴虫が鳴く声に
ふと目が覚めた。
ぼんやりとする思考。
やたらと頭が痛い気がする。
何度か瞬きを繰り返して
ゆっくり起き上がると
蝋燭で淡い夕焼け色に
染まった部屋の隅っこで
成実様が机に向かっていた。

障子を見れば向こうの色が
黒く透けている。
もう夜なのか。
……………夜!?

「成実様っ!なぜ起こしてくれなかったのです!」

慌てて布団を蹴飛ばし叫ぶと
成実様はどこか酷く
落ち着いた雰囲気で
私を振り返り笑った。
その柔らかな笑みに
一瞬心臓が脈打つのを感じる。

「悪い悪い。あんまりお前が気持ち良さそうに寝てたから。それに昨日は眠れなかったんだろ」

「そうですが、仕事は…っ」

「俺が綱元のも全部終わらしてやった。『仕事はやれば出来る』奴だからな」

「!」

満足そうに笑う成実様に
私はへなへなとその場に
座り込んだ。
それに苦く笑いながら
成実様は筆を机に置くと
私の目の前に正座した。

「綱元、少し俺に時間をくれないか」

「じ、かん」

「ああ。今からもう一度、お前を抱かせてくれ」

「……それは、小十郎の」

「馬鹿、ちげぇよ。綱元として抱きたいんだよ」

「私…なんかで、」

「ああっもう!好きなんだよ綱元が!小十郎は関係なく!」

なにかが、弾けた気がした。
あの痛みは消えたけれど
また違う痛みを覚えた。
それはとても甘く心地よく
甘美すぎるもので。

「っふ……、」

「…っ泣くなって」

「すみませ…、」

「謝るな」

唇に成実様の唇が触れた。
それはすぐに離れてしまって
無意識に瞼を閉じ、
薄く唇を開けば再び唇が触れて
ねとりと舌が侵入してきた。
さっきとは比べられない程の
熱く激しい口付けに
思考がどろどろに溶けていく。

成実様の首に腕を回すと
ゆっくりとそのまま
後ろの布団に押し倒され
また舌を絡め合う。

「(成実様の、香り)」

こんなに私は貴方のことが
好きだったのか。
私も逃げていた
だけなのかもしれない。
だけど、もう逃げる理由は
どこにもない。

嗚呼、とても幸せだ





――――――――――……





「ふ、ぁあぁ…っあ、ん」

「っ……綱元」

ぐちゃぐちゃに慣らした
綱元の後孔に男根を挿し
腰を打ち付ける。
昨日無理矢理綱元を
抱いたとは思えない。
最初からこうやって
優しくすれば良かったのに。

心の底から後悔しながら
目の前にあった綱元の
首に吸い付いた。
ぢゅ、と強く吸えば
白い肌に赤い花が咲く。

「ふぁ…っ、しげ…さ、ま」

腰を打ち付けるたびに
ガクガクと腰を揺らす綱元に
理性が引き裂かれていく。
いつも無表情な綱元が
快感に溺れていく様は
俺じゃなくても
興奮するだろう、きっと。

「綱元、好きだ…愛してる」

「あ、あ…ひっ、や…成実様の…、大きくなっ…ぅあ!」

「報告すんなっ…恥ずかしい!」

「ごめ、なさ…ひぁあっ」

ガツガツと奥を狙って突けば
綱元の喘ぎも大きくなり
俺の肩に乗せた足が
がたがた震え出した。
限界が近いのだろう。

俺は腰を抱え直すと
律動を速いものに変えて
綱元のぐちゃぐちゃになった
男根を上下に擦った。

「あっあああ!しげ…っま、やぁっ…んっ」

「きもちい?綱元」

「ふ、は…っああ…ぅ、」

虚ろな目をしながらも
必死に頷く綱元に微笑み
俺はその唇に噛みついた。

「んっ、んん――…っっ!」

同時に耐えきれなくなった
綱元が腰を震わせながら
腹に欲を吐き出し
その締め付けに俺も
綱元の中に吐き出した。

それは朝近くまで繰り返され
次の朝には二人とも
何度も居眠りをしながら
仕事をなんとか片付けた。



あの日から綱元は
どこか明るくなったような、
まあ悪く言えば俺に対して
扱いが酷くなったような。
それでも笑顔が増えたから
俺としては安心した。

なにが変わったって言えば
特に変わらないわけだが。
ほら、綱元あんなだから。
でもまだいいんだ。
俺らはゆっくりゆっくり
やっていければいい。



――――――――――……



成実「そうゆう訳だから、親父。綱元寝とるなよ」

輝宗「え〜、どうしよっかな」

基信「それよりも私が名前しか出てこないってどういうことですか」

成実「おい」

愛姫「ちょ、新ジャンル…っハアハア」

喜多「良かったですわね愛姫様」

政宗「HA!めでてぇじゃねえか!でも小十郎狙ってたのは許さねえ」

成実「Σ許してよ!」

小十郎「そうですよ政宗様。俺は気付いてましたけどね。成実、兄上泣かしたらマジで極殺するからな」

成実「容赦ないねみんな」

綱元「…(・ω・`)」
















(もう1つの恋の物語)

















どやっ(゚∀゚;;)←
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ