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□君を想い、そして泣く
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欲を全て出し終わり、
ずるりと男根を引き抜けば
小十郎は崩れるように
床に体を倒した。
「…政宗様」
じとり。
息を荒くしながらも
小十郎がかなり怒った様子で
俺を睨み付けてくる。
「…sorry」
事の始まりは些細なことで。
「…だってお前が他の男の話ばっかするから」
「元親から貰う魚は美味い。猿飛から貰う野菜もまた美味い。それを慶次に話したらまつ殿がそれらを料理してくれると言っていたので楽しみですね…と言っただけではありませんか」
「shit!アイツらはそうやって小十郎に近付いてくるんだよ!」
「はあ…政宗様は本当に心配性ですな」
「お前に言われたくねーよ」
ふん、とはぶててみせると
クス、と小十郎が笑う。
そして俺の隣まで
いそいそと肩を並べると
小十郎は俺の手を
そっと握って微笑んだ。
「小十郎が誰を口にしようが、誰と話していようが、貴方は堂々としていればいいのです。小十郎は天地がひっくり返ろうと政宗様の右目。政宗様のものでございます」
「…小十郎」
「ほら、今だって貴方がどんなに小十郎を酷く抱こうと、小十郎は貴方の傍にいるでしょう」
「…ああ」
「貴方が不安を抱くことなど、不要なことなのですよ」
そっと小十郎を見れば
にっこりと微笑まれて
心臓が痛い。
「な、小十郎」
「はい」
「悪かった」
「はい」
「あと、空気台無しにするかもしれねえんだけどよ」
「はい?」
「もっかいヤらせて」
「………」
「さ、先っぽだけで良いから」
「…一度だけですよ」
君を想い、
そして泣く
(君がいるから俺がいる)