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□筆頭だって楽じゃない
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「小十郎ー!今帰ったぜ!………Ah?」

「政宗様ぁ!丁度良かった!助けてください!」

小十郎は政宗が現れたことに
安堵しながら政宗の袴に
しがみついて懇願した。
一方、政宗はといえば
自分の理性が崩れていくのを
ハッキリと感じていた。

説明しよう。

政宗は小十郎にウサミミが
生えただけでも
理性が危なかったというのに
今政宗の足元には破壊力抜群の
可愛すぎる生き物がいる。

自分の袴をすがるように
握りしめながら
自分を見上げるその顔は
妙に紅潮し涙が滲んでいる。
いつもはキリッとした眉も
情けなく下がってしまって
今にも泣き出しそうだ。

それに加えて何故か褌を
着けただけの格好である。
背中を辿っていけば、
褌からはみ出た丸い尾が
ふるふると震えている。
ピョコンと頭から生えた耳は
しょんぼり垂れている。

これには堪らず
ぷつりと政宗の理性は
簡単に切れてしまう。
小十郎しか見えなくなった
政宗にはもはや他の連中など
視界に入らなかった。

「小十郎………」

「あ、はい?」

「せっかくさっき抜いてきたっつーのに…お前ってやつは…お前ってやつは…」

「は…?ちょ、政宗様なにを」

「はあはあ…」

ただならぬ政宗の様子に
小十郎は思わず後退りするが
時既に遅し。
ガシィと小十郎の腰を掴むと
そのまま押し倒し、
凄い勢いで貪り始めた。

「ひいいい!まっ政宗様あああああ!?」

「はあはあ…小十郎…ぺろぺろはあはあすーはーすーはー」

「うわー、俺様達空気?」

「そうみたいだね」

「見学といきますか」

「●RECでござる」

「見てないで助けろテメェらああああーーーーーー!!」





そんな悲劇から3日後、
相変わらず小十郎のウサミミは
生えたままであったが
この事件の犯人は松永という
事実が発覚した。

「むしゃくしゃしてやった。誰でも良かった」

ドヤ顔でそう言う犯人に
小十郎が斬りかかったのは
当たり前のことである。


















(右目だって楽じゃない!)















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