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□つぎはぎだらけ
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奥州の夜。
夏の星空の中で黄金に輝く
三日月がぽっかりと浮かぶ。

「…そろそろ、時間か」

それを見上げる小十郎は
どこか切な気に呟いた。
寝間着姿で伊達屋敷の
廊下を静かに歩いていく。

屋敷に寝泊まりしている
兵達はまだ寝静まっておらず
部屋にはポツポツと
灯りがついている。

皆がこの片倉小十郎を
今か今かと待っているのだ。

小十郎はフラフラと適当に
屋敷内を歩き回ると
適当に足を止めた。

「(…一人目はここでいいか)」

そして目の前にあった
灯りのついた部屋の障子を
すらりと開く。
その部屋の奥には
待ってましたと言わんばかりに
伊達軍の兵の一人が布団の上で
ぴっしりと正座していた。

小十郎がその様子に
柔らかく笑みを浮かべれば
男も照れたように笑う。
小十郎はそっと障子を閉め
ゆったりとした足取りで
布団の傍まで歩いていった。

「か、片倉様が俺の処に来てくれるのは久し振りっスね」

「そうだったか?まあこの伊達軍の人数じゃあ仕方のねぇ事だろう」

「それもそうですけど…やっぱ嬉しいもんスよ」

「言ってやがれ。ほら、早く寝転びな。今日は政宗様が早く帰れと聞かねぇんでな」

「へーい」

男は素直に布団に寝転ぶと
小十郎がその上に跨がり、
男の下半身を露出させて
すでに熱を持っているそこを
舌で舐め始める。

「っ…なんか、また上手く、なりました?」

「ん、はっ…知るか、よ」

「まあ…毎日伊達軍と筆頭の相手してれば、っ上手くも、なりますよね」

「ん…う…黙ってろ…んっ」

熱い男根を懸命に舐めながら
小十郎は口の減らない男を
鋭く睨み付ける。
普段ならもう怖すぎて
失神ものなのだが、
自分のものを口でくわえて
目を潤ませながら奉仕している
小十郎に上目で睨まれても
煽られたとしか思えない。

小十郎のあまりの色気に
興奮した男根が質量を増す。
それを感知した小十郎は
呆れたように苦笑いして
口を離すとその上に跨がり
ゆっくり腰を落としていく。

「んくっ…う…!」

「っ…今日も、後ろ、自分で解かしてきたんっスか?」

「そ、だ…っ!」

「そんな、片倉様が解かさなくても…俺がやってあげるのに…っく…」

「うるせえ…っ!ぁんっ…」

小十郎は必死に腰を揺すり
ずぶずぶとその男根を
根本までくわえこんだ。
そして息を整える暇もなく
ゆっくりと腰を振る。

「はっ…は、あ…!」

「っ相変わらず、えろ…」

「う、るせぇ…って、何回言えば…っんん、あっ、あ」

普段からは想像もつかない
乱れた小十郎の姿に
興奮しない伊達軍など
一人もいないだろう。

自分のをくわえこんで
腰をいやらしくくねらせて
快感だけを追う小十郎を
下から見上げる気分は
とてつもなく最高である。

嗚呼、明日も頑張れそうだ。
明日は朝一番に他の奴等に
自慢してやろう。

本人は知らないが、
毎夜誰のところに来るのか
分からない小十郎の事を
伊達軍全員が全力で
毎夜待機しているのだ。
小十郎が来てくれた次の日は
もう疲れなど吹っ飛んでいる。

そして小十郎が運良く
来てくれた奴等の話を
伊達軍の兵達が寄ってたかって
聞いて想像してニヤけて
盛り上がっているのである。

「っほんと、片倉様のおかげで俺達女に起たなくなっちまったんですから、責任取ってくださいよ…!」

「んは、はぁ、んああっあ」

「はは、聞こえてねえか…」

気持ち良さそうに
ぼんやりとした目をしながら
ひたすらに快楽を追う小十郎。
その動きに合わせて
ゆっくりゆっくりと
突き上げてやれば一層
顔が赤く可愛らしくなる。

「あっ、や、動く、なぁ、あ」

「無茶言わないでくださいよ…ほら、気持ち良いんスよね?」

「んんっ!」

ぐり、と奥を突き上げると
電流が走ったかのように
小十郎の体が跳ねる。
その反応に口がニヤけるのを
押さえられない。
続けて何度も同じように
突き上げると小十郎は
焦ったように頭を振る。

「や、やだ、ぁ…っひぃ、ひっ、奥が、あぁ!」

「奥…っ好きでしょう?」

「ひぁっ、も、やめ、ろ…っいく…からぁ」

「イッてもいいっスよ…っ俺も、出します」

「や、でも、中っ…には!」

「相変わらず中出しは筆頭だけ…なんスね?」

「ぃあっ!」

男は小十郎の腰を掴み
上にいた小十郎を押し倒すと
ガンガン突き上げ始めた。

「あっ!あっ!やめ、やだぁあっ」

「俺、知ってるんスよ。なんだかんだで他の兵の奴等に中出しされてる事」

「あうっ!ひんっ、は、ああ、あっあ、そ、だが…っ」

「なら、いいっスよね?」

「やっ…!?」

男の律動はますます速くなり
小十郎は成す術もなく
がくがくと揺さぶられた。
駄目だ駄目だと頭を振るが
それも興奮材料にしか
ならないのだ。




 
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