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□今年も貴方と!
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『ハッピーニューイヤー!』

テレビの中から聞こえた
アナウンサーの声と
大勢の歓声で目が覚めた。
テレビをつけたまま
うとうとしていたらしい。
ぼんやりとしながら
五月蝿いテレビを消して
ソファーに項垂れる。

机に置いてある携帯が
光を点滅させていたので
手を伸ばして携帯を開く。
しかし、ずらりと並んだ
メールの数に目眩がして
投げるように携帯を戻した。

「…もう年が明けたか、」

早いな、とぼやきつつ
ソファーに体を沈ませ、
すぐに襲ってきた睡魔に
大人しく瞼を下ろす。
今日ギリギリまで
仕事をしていたのだから
無理もなかった。
しかし、新年早々
ゆっくり眠れるわけもなく。

「小十郎!Happy New Year!」

ばあん!と派手な音と一緒に
もう寝たと思っていた
政宗様が発音のいい
新年の挨拶を投げてきた。
こういうお祝い事には
いつもより五倍は元気に
なるのだ、政宗様は。

「…あけましておめでとうございます、おやすみなさい」

欠伸を噛み殺しながら
新年の挨拶と今俺は
眠いのだという意思を添えて
なんとか返事を返すと
政宗様の派手な足音が
ずんずんと近付いてきた。

「年が明けたってのに寝ようってのか?野暮だぜ、小十郎」

こんの馬鹿。
一発殴ってやりたい。
うんざりしながらも
瞼を抉じ開けてソファーの
後ろから俺を覗き込む
政宗様を見上げた。

いつものいやらしい
ニヤけ顔はスルーした。
それよりも政宗様は
さっきまで風呂にいたらしく
髪はしっとり濡れていて
なぜか服を着ていない。
かすかにシャンプーの
甘い香りがする。

「…服を着てください。風邪をひかれます」

「No…その必要はねぇ。今から小十郎と年明けパーリィだからな」

「年明けぱぁりぃは朝になってからでもいいでしょう。あと脱ぐ必要性が分かりません」

「shut up!」

政宗様はひょい、と
ソファーを乗り越えると
寝転ぶ俺に跨がった。
なんかまずくないか、
この状況とこの体勢。
一気に眠気が覚めていく。

「ま、政宗様?」

「姫初めするぞ、小十郎」

嫌な予感は案の定当たった。
姫初め…冗談じゃない!
驚愕している間に
政宗様が服をどんどん
脱がし初めてきた。
慌てて抵抗をしてみたが
時は既に遅かったらしい。

「や、ああっ!?」

はだけた胸の飾りが
政宗様の舌に包まれる。
ひくんと体が無意識に跳ねて
自分のものとは思えない
甲高い声が上がった。
恥ずかしくて泣きたくなる。

「Ha!いいねえ…」

そんな俺の反応に政宗様は
満足そうに笑うと
残っていたボタンを外して
露になった俺の上半身を
まんべんなく弄った。
舌と右手で胸を舐めたり
噛んだりひっかいたりして
左手はねっとりとした動きで
腹筋や背中を撫でる。

「ひ…う、う」

くすぐったささえも
快感に変わってしまうほどに
この行為に慣らされた体は
びくびくと震えて
もう力が入らない。
恥ずかしくて恥ずかしくて
もうどうしようもない。

「あっ、ん…まさ、ね…」

下半身が苦しい。
いつもより長く緩い
愛撫を続ける政宗様に
言葉では言わないが
進めてくれと促す。
いつもならニヤけながらも
先に進めてくれるのに
政宗様はちらりと俺を見て
再び飾りを舐め始めた。

「あっ!?ま、政宗様…お願い、ですから…」

もう一度懇願すると
やっと口を離してくれて
ほっと安堵する。
しかし政宗様がにやりと
黒く笑ったことにより
背筋が凍る。
ああ、この笑顔を
俺は知っている。

「進めてほしけりゃ、自分で脱いで、誘ってみな?」

「んなっ…」

やっぱりだ。
ろくなことじゃなかった。
今までも何度か
こういう事はあったし
それは乗り越えてきた。
しかし慣れる事は出来ず
避けられることならば
絶対にしたくない。

「無理ですっ!」

「無理?無理ってなんだよ、じゃあココ一人で処理すんのか?」

「ひゃ、っ」

政宗様は否定する俺の
苦しそうな下半身を
ジーパン越しに撫でる。
甘い刺激が腰に響いて
裏返った声が上がった。
キッ、と睨み上げるが
相変わらずニヤけている。
もう逃げ道などないのだと
嫌々ながらも分かった。

「お前が一人で抜くのを見るのは良いけどよ、折角の新年初なんだ…一緒に楽しもうぜ?」

「…っしかし、」

「まだ言うか」

政宗様の目付きが一瞬変わり
それに気付いた時には
ジーパン越しに撫でていた
その手の動きも変わった。

「んああっ…!あ、あ、あ」

揉むようにして確実に
快感に追い込むその動きに
冷や汗が流れた。
慌ててその手を掴み
ふるふると首を振る。

「やぁ、やです…っ」

「Ha、嫌だろ?なら言う通りにしな」






 
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