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□欲情ダーリン
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朝、いつものように
携帯のアラームで
小十郎は目を覚ました。
しかし目の前に広がる
光景にどうかまだ
夢の中でありますようにと
願わずにはいられなかった。

「おはよ!片倉さんv」

朝には眩しすぎる程の
笑顔と鮮やかな髪の色。
小十郎の恋人である
前田慶次がそこにいた。
いつも沢山つけている
髪飾りはなく髪を後ろに
適当にくくっただけで
何故か上半身全裸で
学校のズボンを穿いて
いるだけの状態だ。

小十郎は一気に
眠気がぶっ飛んだ。
だからといって何か
言うことも出来ない。
疑問が渦巻くなかで
ふと、体に違和感がして
布団の中を覗いた時
自分が裸なのに気付いた。
上がりかけた悲鳴を
なんとか飲み込んで
小十郎はゆっくりと
深呼吸をして頭の中を
整理しようと試みた。

昨日、学校が終わって
家に帰ったら慶次が来て。
その後に政宗や幸村や
その他もろもろが
沢山遊びに来て。
政宗達が帰った後…
そう、ここからだ。

『片倉さん、政宗とあんまりじゃれつかないでよ』

そう言った慶次の顔は
笑顔なのに怖かった。
そこからのことを
思い出すのは一瞬だ。
みるみるうちに小十郎は
顔を赤くして慌てて
慶次を振り返った。
すると慶次はいつの間にか
小十郎と距離を詰めて
ギシリとベッドの
スプリングが鳴った。

「昨日の片倉さん、一段と可愛かったよ」

「――――っ!!」

誰か夢だと言ってくれ。
夢なら早く覚めてくれ。
どうにか願ってみるが
痛む腰が現実である事を
ひたすらに叫ぶ。
これが現実ならば、
とりあえず目の前にいる
馬鹿をどうにかしなければ。

「前田、殴らせろ」

「ええ!?なんでっ!?てかその前田っての止めてよ、昨日の片倉さんは可愛く俺の下の名前呼んでくれたよ!上で動きながら!」

「死ね」

「ちょっ、ぶふっ!」

見事な小十郎の鉄拳が
慶次の顔面に炸裂したのは
言うまでもない。











(その後にまた美味しく
頂かれたのも言うまでもない)







 
 

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