胡蝶ノ夢
□誘導尋問
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「ねぇ、マタイは神様を信じているの?」
唐突だけど隣にいた目の細い異端審問官に問う。
銃に弾を込める、彼は何気なくこう答えた。
「私だって聖職者ですから信じてはいますよ」
まぁ、マタイは根っからの狂信者だし勿論のことだ。
今、『何々聖書の何ページは何?』とか聞いたら答えられるだろうし。
…いつも聖務の時、一節を口ずさんでるし。
「じゃあ、化け物とかは?」
「…私たちが異端と呼ぶ者がそうじゃないんですか。化け物だから、征伐するんでしょう」
あまり整っているとは言えない、黒髪掻いてそう答えた。
冷酷な異端審問官様らしい回答だ。
顔と性格が合ってないけど。