BBテルハク短文・メモ

□大戦時代・テルハク妄想メモ
4ページ/22ページ





食事風景



獣兵衛
「……うむ! この魚、大味かと思えば意外に美味だぞ」

トリニティ
「そうですね〜。山菜のスープも美味しいですしぃ〜」

ヴァルケンハイン
「一通り火も通したことですし、暫くは保存食としても使えるでしょう」

獣兵衛
「すまぬな、ハクメン。お前は食べないのに、わざわざ調達してきてもらって……」

ハクメン
「構わぬ。大した手間ではない」

テルミ
「……あ〜も〜ッ毎日こんなンばっかで、俺飽きちまったわっ! 茹で卵食いてぇ、茹で卵!」

ヴァルケンハイン
「文句を言うのならば、お前だけ鶏でも飼えばいい。ふふ……、トサカの立った者同士、さぞ気が合うだろう」

テルミ
「……ンだとォ? 喧嘩売ってんのか、おっさん?」

ヴァルケンハイン
「はて、何のことやら」

テルミ
「! ぁあン? ざッけんじゃねぇーぞ、こンのクソ野郎が……ッ!」

ハクメン
「無駄な争いは止せ、テルミ」

テルミ
「――はァっ!? 横からしゃしゃり出てくんじゃねぇ! ウゼーんだよハクメン!」

ハクメン
「……」

獣兵衛
「あ……。おい、どこへ行くんだ?」

ハクメン
「周辺の見回りだ。……ここは煩くてかなわん」

獣兵衛
「……ああ、そうだな。すまん」

テルミ
「……」









ハクメン
(食事は必要ない……睡眠も必要ない……余程のことでもない限り、死なない体……。ユニットとはかくも異質なものか……)

ハクメン
「フッ……、何を今更。黒き獣を倒すことが、私の存在意義の全て……」

テルミ
「――オイッ」

ハクメン
「! 何用だ」

テルミ
「これ、……食えよ。さっき猫又が見つけたんだと」

ハクメン
「ああ……林檎、か。見るのは久しいな。こんな荒野ばかりの世界で、よくもまだ残っていたものだ。……しかし要らぬ、貴様が食せば良い」

テルミ
「食う必要がねェだけで、食えねェわけじゃねェだろ。クソき……ツクヨミユニット持ってたガキも、確か紅茶飲んでたじゃねぇーか」

ハクメン
「……要らぬ。帰れ」

テルミ
「あーッもう、うっせェうっせェうっせェ! とにかくッ、渡したかんな!?」

ハクメン
「っ、テル……ッ! ――何だと謂うのだ、一体……」







要らない、要らない、要らない……。
ただ、彼を止めるだけの力、存在であれば、それ以外は意味もない瑣末なこと。


では何故、この手の小さな果実を手放せない――?






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ