短編小説
□熱帯夜
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「暑い・・・」
私はベッドの上で汗だくになりながら呟いた。
クーラーを付ければいいだけの話なのだが、エコを心がけている私にはやはり抵抗があった。
「あー・・・暑い・・・」
「確かに暑いね、この部屋。」
「うん・・・。って、え!?恭弥!?」
「何?」
「ど、どっから入ってきたの?」
「窓だけど。」
「ちょ・・・!!」
ただの独り言だったはずなのに返事が返ってきた。
しかも相手は不法侵入してきた恭弥だった。
「え、どうしたの?こんな夜に・・・」
「眠れないから君に添い寝してもらおうと思って。」
「!?」
「でもこの部屋暑いね。クーラーつけるよ。」
「待って!!環境に悪いじゃん!!」
「うるさいよ。決定権は僕にあるんだから。ほら寝るよ。」
「う〜///」
いつものごとく強引な恭弥に押し負けて、今日も夜が深まっていくのだった。