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□IMITATION BLACK
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撮影はすぐに始まった。

俺はたまに出る程度で、他はほとんどカイトさんとがくぽさんだった。

当然だ。

元々俺が歌う所はサビと、2番の後少しだけだったのだから。

でも、俺の分の撮影がもうすぐだと思うと緊張してきた。

最初はがくぽさんと一緒の撮影だった。

カイトさんはその間、パイプ椅子に座ってスポーツドリンクを飲んで休憩していた。

やっぱり、ミュージシャンというだけあって、すごく絵になった。


撮影のポーズはかなり恥ずかしかった。

がくぽさんの顔が目の前にある状態だ。

がくぽさんは、『大丈夫でござるよ』と言ってくれたけど、緊張はした。


『じゃあ、がくぽさんとレン君、くっついて〜。

 ………そうそう、その位』


やっぱり恥ずかしかった。

がくぽさんは俺の目をじっと見つめてくるし、カメラを見ようにも恥ずかしくって見れなかった。

そしたら、スタッフさんが指示を出した。

『レン君、もうちょっとエロい顔、出来る??』

「えっ!?」

エロい顔、と言われても、そんなの出来なかった。

どうしよう、すごく迷惑をかけてしまっているのだろうか。

14歳で、そんな経験もあるわけがなく…。

でも、やらないと、迷惑が………………。


そうしたら、がくぽさんが小声で


「(拙者にまかせるでござる)」

と言ってきた。

「(えっ??)」

「(少々違和感があるが、撮影が延びるよりまマシでござろう??)」

と言って、がくぽさんがとった行動は…。



スタッフさんに見えないように、腰の後ろからスカートの中に手を入れてきた。


「(ひゃぁっ!が、がくぽさん??)」

「(声を抑えるでござる。こうすれば良いでござろう??)」

「(でっ、でも…)」

俺が困っていると、スタッフさんは

『レン君、良いね!!その表情だよ!!』

と言ってきた。


しょうがないんだ。

撮影のため、撮影のため!!


「(な、こうした方が良いでござろう??)」

「(はい、でっ、でも……)」

「(これじゃ満足できぬか??)」


そう言ってがくぽさんは



俺の下着の中に手を入れてきた。

「(んぁぁっ、な、なっ)」

「(撮影のためでござるよ。

  それとも、出来ずに撮影を延ばす方が良いでござるか??)」

「(んっ、いえ……。撮影の、ためなら…)」

と、その間は我慢した。

しだいに手はどんどん進入し、危うく声を出しそうになった。

「(ひゃあぁ、うぅ…)」

「(そろそろ終わりでござるな)」


がくぽさんはやっと手を離してくれた。

『はい〜、OK!!

 次、カイトさんとレン君の撮影ね!!』


がくぽさんが離れると、何とも言えない開放感が来た。

撮影のためとはいえ、やはり恥ずかしかった。



ノリで受けてしまったオーディションとはいえ、本当は満更でなかった。

ミュージシャンへの憧れだってあったし、何よりカイトさんとがくぽさんの曲が好きだ。

2人に迷惑をかけたくないと思うと、撮影はなんとしてでも成功させたいと思う。


そして、カイトさんと撮影する番になった。


「緊張しなくていいからね。大丈夫」

カイトさんの言葉は優しかった。
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