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□近くて遠い……
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「レン君、おはよう」

不意に声をかけられる。

悩んでいる原因である、カイト兄張本人。

「おはよう、カイト兄」

なるべく、自然な感じで返事を返す。

顔、赤くないかな?

声、上ずったかも…


って、どこの乙女…?

あぁ、悩んでる事自体女々しいのにっ!!


………。


あぁっ!!もうっ!!

なんで気づいてくれないんだよっ!?


「レン君、どうしたの?」

「ふぇっ!?」

悩んでいたら、カイト兄が声をかけてきた。

…この兄、唐突過ぎる…。

「なんか百面相してたけど、平気??」

「う、うんっ、大丈夫!!」

自然、だよね??





どうすればいいんだろうなぁ。

別にカイト兄が『好き』なんて言ってくれなくて良い。

俺の、この『好き』という感情に気づいてもらいたい。

知った上で、笑顔が見たい。

…それだけ。







「レン君、ちょっといいかなぁ??」

「ミク姉??どうしたの??」

「うん、ちょっと話があって…」


ミク姉は、晩御飯の後、俺を部屋に呼んだ。

話、ってなんだろう??

新曲でも出すのかなぁ…。





ミク姉の部屋は片付いていた。

青緑を基調とした、女の子らしい部屋。

入るのに少しためらったけど、ミク姉がせかすので仕方なく入った。


「さて、と。本題ですがレン君」

「なぁに??」

「レン君、恋してますかーーっ!?」

「えぇっ!?」


ミク姉は、いきなりなんて事を…。


「し、してない……よ?」

「嘘だぁっ!!乙女に嘘はつかないのっ!!」

「乙女……!?」

乙女ってものは、もうちょっと清楚な感じ…。

じゃなくって!!




「なんで知ってるのっ!?」

「はぁ〜っ!!やっぱり恋、してますねっ!!」

何で敬語…。



「レン君、このごろずぅ〜〜っと顔赤かったし、素振りが乙女だったしぃ!!」


「あっ…あうぅ…。

 だ、黙ってて頂戴ね!!」


「うん!!勿論!!協力するからね!!」



ミク姉は、少女漫画の読みすぎです!!
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