●怖い噺 四
□意味深なURL
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1990年の10月私がアメリカの大学で経験した話
アメリカの学生はとにかく課題レポートを書かされる。もちろんパソコンを使って仕上げるわけで私の大学には50台程度のコンピューターが整備されているラボがいくつもあった。学生はここで夜通しレポートをタイピングするわけだ
その日も私は相変わらずレポート作成に忙しかった。夕食を済ませ寮から荷物を抱えてコンピューターラボに入りパソコンの前に座った。当時は来る日も来る日も同じような生活でうんざりだった
ここのパソコンはインターネットに接続されていた。まだウェブブラウザが「モザイク」メインだった頃だ
ウェブコンテンツも研究者の研究成果発表などばかりでさほど面白いものではなかった。
検索エンジンなどは進化しておらずURLはもっぱらページ制作者本人から口頭で教えてもらうことが多かった
その夜私はいつものようにレポートをしばらく書いていた。その時何気なく目をやったパソコンデスクに鉛筆でURLが書かれていた
学生がメモ代わりにしたんだろう。気分転換にはなるだろうと思い私はそのURLをブラウザに入力してみた
しばらくすると画面にはページが現れた。信じられないページだった。
そこには薄暗い部屋で床に血だらけで倒れている男性の写真があった(今ではよく見るこのような画像ではあるが)私はこのような残酷な写真に戦慄し吐き気を催した
よく見ると画像の下にはこんな一文が添えられていた"A guy in Michigan, aged around 30, Killed by me today"間違いない殺人者が自らの犯罪を自慢するサイトだ
私は何かとんでもないものを知ってしまったのではと思いすぐにラボを飛び出して寮に帰った翌日まで誰とも話すことが出来なかった
次の日の朝。私は再度ラボに出向いた。そして昨日のウェブサイトが気のせいであることを信じてURLを開く
現れたのは同じく薄暗い部屋の画像だった
しかし今回は床に倒れているのが丸裸で仰向けになっている女性だ。左乳房に大きなナイフが刺さって口、鼻、耳から血が流れている
写真の下にはまたも一文が添えられていた"A bitch in Michigan, aged around 30, Killed by me today"
すぐに私は大学警察に行き警官に相談した
しかしまだウェブがまったくメジャーでなかった頃だ「ウェブで殺人者が犠牲者の画像ファイルを掲載している」といってもうまく理解してもらえない
それに恥ずかしい話だが私の稚拙な語学力も足かせになり取り合ってもらえなかった
恐怖と好奇心が一緒になった独特の心境で再度ラボに戻りそのウェブサイトのURLを入力してみた
するとその日数時間前まであった画像はすでになくなっていた
その代わりになぜか私の住所と電話番号が書かれていた
その後にメッセージが一文
「You are the next star on my Web.」
私は持ち物のほぼ全てを友人に譲り、2日後に帰国した
−終わり−
最近の死体画像サイトってわざとらしいのが多くて…殺人ビデオとかも明らか編集だろ的な
ネクロフィリアをがっかりさせないで欲しい