●怖い噺 四


□自首した理由
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俺の親戚に元刑務官って人がいる

その人が言うには刑務官の仕事って受刑者を監視する事じゃなくて受刑者に人の温かみを教えるのが本当の仕事らしい。そんな叔父は時間があれば受刑者の話を聞いていた。話す内容のほとんどは受刑者の犯した罪についてがダントツで自首した受刑者なんかはどうして自首するに至ったかを話すらしい

その中でここの板に合う話があったので投下します

その受刑者をAとして話を進めます

Aは元々は普通のサラリーマン。その彼が刑務所にいる理由は殺人

殺害されたのはこの人の奥さんで、殺害後遺体の処理に困ったAは自宅の冷蔵庫にバラバラにした奥さんを保存していた。会社から帰ってくると冷蔵庫から身体を一部をだし肉は細かく切り骨はミキサーで粉々にして部屋のトイレから流していった

そんな日々が何日か続いて身体のほとんどがトイレから流れていった。最期に残ったのが頭部でやはりこれを細かく刻むのに踏ん切りがつかなかったらしい

頭部だけが冷蔵庫に残された状態が何日か続いたある日Aは夢を見た
その夢の中で殺した奥さんが部屋のテーブルに俯いて座っている。かなり深く俯いてるらしく表情は伺えない

でもテーブルに置かれた手がカタカタと左右に震えていた。次第にその震えかたが素早くなっていき爪がそして指がテーブルの周りに飛散しはじめた。みるみる内に肘から先がなくなりちぎれた腕からは真っ赤な血が迸り骨がカタカタのテーブルを叩いていた

そこで目が覚めたAは全身を汗でべっとりと濡らし、あまりのショックに身動きが取れなかった

ようやく落ち着きリビングへと向かう。すると冷蔵庫が少し開いておりそこから首だけの奥さんが睨みつけていた。驚いたAは冷蔵庫と閉じ扉をガムテープで閉じた

この時にはまだAは自首を考えなかったらしい

その日冷蔵庫の中にある頭部の処理に手つかずのAは仕方が無く新しい冷蔵庫を購入することにした

一人用の小さい冷蔵庫なので店からの配達は頼まず持ち帰ったのでガムテープ付きの冷蔵庫の存在が公になることはなかった

その日の夢も同じ場所で奥さんが座っていた

違ったのは昨日の終わった時点から夢が始まっていること。テーブルについている奥さんの腕からは真っ赤な血が滴っている。今度は足が床を蹴っていた。その動きが激しくなり床をける音もドン・ドン・ドン・ドン・ドンドンドンドン ドドドドドドドド!!
と激しくなっていく

次第に床に血がにじみはじめ足の肉が飛散しはじめる

テーブルの上では腕が振り回され血をまき散らしている

Aの頬にも血が飛んでくるが身動き一つ取れずにその光景をみている。 頭のなかでは「はやく目覚めてくれ」と叫んでいたが夢が終わることがなかった

部屋中に飛び散った血がいやらしく光っていた

突然四肢を動きを止めたと思うと俯いていた顔が少しずつ上がりはじめた。垂れていた前髪が頬にへばりついていく。髪の隙間からは、上目遣いでAを睨む目が見える

顔が完全に上がったとき「ああああぁぁぁぁぁぁぁっ、私の、からだを、返せぇぇぇぇぇぇぇ」と絶叫が響いた

この声にAはようやく目を覚ますことができた。 やはり全身に汗をかいていた。この時Aは冷蔵庫にある頭部の処理をしようと腹をくくったらしい

ベッドから飛び出し冷蔵庫の前に行くとその気持ちが完全に消えた。あれほど頑丈に止めていたガムテープが全て千切れ奥さんの頭部が冷蔵庫から転げ落ちていた

その目は見開かれAを睨みつけていた

ここでAは逃げられないと観念したらしく自首したそうだ

叔父曰く「殺された方の無念はいつまでも生きてるもんだ」らしい

−終わり−

無念、怨念は死後も生きる
だから…人を呪わば穴二つ…OK?
それなりの覚悟は必要ですよ

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