●怖い噺 五
□胎盤から出てきた
1ページ/1ページ
小学校の頃、BB弾という小さなプラスチック製の玉を撃つエアガンが流行りました
僕たちは近所の公園で空き缶などを撃って遊んでいました
でもそのうち空き缶だけでは物足りなくなって野良犬を撃つようになりました
命中すると「キャイン!」という声を上げて逃げていくのを面白がって見ていたものです
そのうち見かけるたびにその犬を撃つようになり野良犬は日に日に血まみれになり弱っていきました
まったく見かけなくなった犬を探しにみんなで徘徊していたところ、川辺で冷たくなっている野良犬を発見しました
さすがに罪悪感を感じそれぞれみんな両親に打ち明けお金を出し合ってペット火葬で引き取ってもらいお墓に埋めてあげました
数年後、中学生になり我が家で犬を飼う事になりました
血統書付きの柴犬で僕たち家族はとても可愛がりました
ある日、飼い犬が妊娠していることがわかり悩んだのですが1度だけ出産させることにしました
日に日に大きくなっていく犬のお腹を見てとても楽しみにしていました
数週間後、無事に4匹の子犬が産まれあまりの可愛さに家族みんなで大喜びしました
しかし最後の1匹だけまったく動かないのです
普通、生まれたての子犬は胎盤に包まれており、それを母親が食いちぎって呼吸をさせるのですが母犬は不思議そうに匂いをかぐだけで胎盤を取ろうとはしません
心配になった父が思い切って胎盤を引きちぎってみました
すると胎盤の中から大量のBB弾が出てきたのです…
−終わり−
動物の虐待問題は許せません
虐待した人にはそれ相応の報復を…というか生類憐みの令発動!!