●怖い噺 七


□バラバラ
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これは僕が一人暮らしを始めた年の冬の話です

僕はようやく一人暮らしにも慣れ平凡な生活を送っていました

そんなある日、家に小包が届きました

一人暮らし初の郵便でなぜかワクワクして差出人を見ました

しかし差出人は不明でした

差出人が分からないのに勝手に開けるわけにはいかないと思って、とりあえず玄関に置いておくことにしました

そして、夜が来ました

僕は布団に入りましたが例の小包が気になってなかなか寝付けません

よく考えてみれば僕宛に届いた小包なのだから差出人が誰であれ開けても文句は言われないだろうと思い開けてみることにしました

すると中にはこんもりと膨らんだ封筒が一つ入っているだけでした

不思議に思いながらも僕は封筒を開けると中には一通の手紙が入っていました

その手紙には

「かえして」

とだけ血で書かれていました

「何なんだ! イタズラか?!」

と思いつつ、右手に持っている封筒の中身を手に出しました

すると! 出てきたのは女性の手の親指でした

僕は気持ち悪くなりすぐその親指を処分しました

結局その日は眠ることができず朝を迎えてしまいました

翌日、仕事から帰ってみると郵便の不在届けがポストに入っていました

僕は嫌な予感がしながらも郵便物を届けてもらうことにしました

ピンポーン

「宅急便で〜す」

郵便が届きました

僕は恐る恐る差出人を見ましたが、思った通り差出人不明でした

開けたくはないが開けてしまうのが人間です

僕は開けてしまいました

すると中からこんもりと膨らんだ封筒が出てきました。昨日と同じだ! と思いつつ、開けてしまいました

すると中には同じように一通の手紙が入っていました

その手紙にはやはり

「かえして」

と血で書かれていました

僕はこれ以上中を見てはいけないと感じ、そのまま封筒を処分しました

それ以後毎日差出人不明の小包が届きました

そんな日々が2ヶ月くらい続いたでしょうか

ピンポーン

「宅急便で〜す」

いつものように今日も届いたと思いサインをして小包を受け取るといつもとは違うズッシリとした重さを感じました

変だなと思いながら処分しようとしたが明日はゴミ収集の日なので玄関に置いておくことにしました

その夜、僕は物音で目が覚めました。時刻は2時過ぎです

その物音のする方へ行ってみると玄関にたどり着きました。しかし、そのとたん物音はおさまりました

寝ぼけていたのかと思いましたが変な違和感を感じました

そういえば玄関に置いてあったはずの小包がない!
僕は怖くなり布団の中に潜り込みました。すると布団の中にあの小包が!

僕は頭が真っ白になりなぜかその小包を開けてしまいました

すると中には生首の後頭部が見えました

そして次の瞬間! その生首が勝手に反転して血だらけの顔が見えました

そして目を開けこう言ったのです

「私の体かえしてよ!」


僕は気を失い、気がついたのは翌日の朝でした

朝起きてみると体中が痛くて見てみると無数の切り傷がついていました

手にはなぜかカミソリを握っていました

もしかしたら自分で自分を…


皆さんも差出人不明の小包はくれぐれも迂闊に開けないで下さい

もし開けたら…

ほら、あなたの家にも!

ピンポーン

「宅急便で〜す」

−終わり−

一時期カニ爆弾とかありましたね♪
皆さんも宅急便には注意ですよ〜

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