●怖い噺 八


□リフォーム
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青年が一人暮らしするために家を探してた

不動産屋で適当に見回った結果、築年数は古いが最近リフォームしたばかりらしくきれいな三階建てのアパートの一室にすることにした。家賃も普通で、その青年もラッキーだと思った

引越しも無事完了そしてその部屋で手伝ってくれた友人とお酒を飲み始めた。すると一人の友人が

「なんかコリコリ音がしない?」といった

しかし何も聞こえず、お酒のせいだと思った

次の日の夜、寝ようとして布団に入ると友人が言っていたように

「コリコリ」と聞こえる

音の元を探ってみると北側の壁からだ

隣に部屋はないしねずみだろうと思い寝ることにした

しかしそれは毎晩続き我慢できなくなった彼は管理人にねずみの駆除を頼むことにした

次の日、管理人のところにいくと申し訳なさそうにこういった

「ごめんねぇ。あそこ小さなクローゼットがあったんだけど、前に住んでた人が見た目が悪いからって自費でただの壁にしちゃったんだ。ネズミが住み着いたのかもしれないねぇ」って

後日その青年も立ち会ってネズミの駆除をすることになった

業者の人が壁を壊す前に壁紙をはがすと、みんな愕然とした

そこには何かを隠すように何枚もの板が何百何千という釘で打ち付けられていたのだ

電話でそれを知った管理人も駆けつけてその板を取りはずす作業が始まった…

数時間たち日が沈みかけたときすべての板がはずされ、スペースきっちりにはめ込まれた薄い板があらわれた

そしてそれを剥がした

そこにいた人間はなんとなくは感じていたがやはりあった…死体だ

その死体ははすっかり乾いていて異臭すらしなかった

着ている服や背格好から小学生ぐらいの女の子だとわかった

なぜかすべての指の先は骨がむき出しだった

管理人は警察に電話するためかばんから携帯電話を取り出そうとしたが部屋は思いのほか暗かった

いらだちながら部屋の電気のひもを引いた瞬間

全員が悲鳴をあげた

その小さなクローゼット一面いっぱいに赤い字でこう書かれてあったからだ

おとうさん 

ごめんなさい
  
おねがい

だして

だしてだしてだしてだして

だしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだして

だしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだして

だしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだしてだして

−終わり−

指の骨が見えるまで“だして”っと書き続けていたんだね…

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