●怖い噺 九


□のっけてる
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昨日の夜のこと
ある大学前の駅で電車待ちをしていた
電車がとても遅れていた

ぼけっと携帯いじってたら突然肩を叩かれた
なんだ知り合いかと思い振り返ると見知らぬ中年の女性がいた
女性はごにょごにょ何かを言っている
どうやら泥酔している様子

同伴らしき年配の男性に謝られた
軽く会釈して携帯に目を戻す
背後から呂律の回らない声がする
先ほどの女性だろう

「ねーねーおにいさい、おにいさん」

なんだ?俺のことか?酔っ払いの相手は面倒だから無視を決め込む
「やめなさい」と男性のたしなめる声
女性の声が遠ざかる
男性が俺から引き離してくれているのだろうか

「えーでもあのおにいさん、あんなののっけ
「やめなさい」と男性の声が遮った

のっけて?乗っけて?
頭や肩を払ってみたがなんともない
この酔っ払いめ

家に帰り着きしばらくしてから思った

俺が乗っけていたものが、彼女にしか知覚できないものだったら嫌だなと

また、電車が遅れていた原因が大学前の駅での人身事故だったことや
俺が今体調を崩し熱を出していることと無関係ならいいなと

−終わり−

私事ですが

前に友達と歩いていると
小学生の低学年くらいの子供2人が私に
「ねぇ、何でそんなに猫さん 連れてるの?」
と聞いてきました…

私の友達「猫さんなんてどこにも居ないけど…?」

私「猫を拾うのが癖なんだ…」

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