●夜道怪談

□てけてけ
1ページ/1ページ


カツン コツン カツン コツン

ヒールの音?

暗い闇の様な夜道を歩く
そんな私の後ろから

カツン コツン カツン コツ…

音はだんだん近く大きくなっていく

ここは住宅街へ続く道
帰り道が同じ人だろう

カツン コツン カツン…

近くなって聞こえていた音に新たな音が混ざる

カツン コツン ズルッ カツン ズルッ…

何かを引き摺る音が混じっている
大きい物を引き摺る音

私は気になり振り向いてみた
ポツンポツンと立っている街灯の下に何か動いているモノが見える

何だろう…人?
人にしては目の位置が低い…

っ…

私は気付いた
影は人間だが…その人影に脚は無い

さっきのカツン コツンと言う音は

脚の無い影が近付いてきて分かった

カツン コツンと言う音は
脚が無く肘を突いて歩いていた音
ズル ズルと言う音は
自分の胴体を引き摺る音だったのだ

私はずっとヒールの音かと思っていた音が
肘を突き 皮膚が摺れ 肉が剥がれ剥き出しになった骨の音だったとは

彼女にはヒールを履く脚は無かったのだ

「あ…あぁ…脚っ…私の脚…ぁしぃぃぃっ」

後悔した 
あの時振り返らなければ
わずかな好奇心のせいで

彼女はいつも自分に合う
脚を探している
奪うチャンスを窺っている

「…次は…あの…脚が…いぃや…フフフッ」

−終わり−

第一話てけてけこれにて終了

これ考えてる時実際に夜道を歩いてて
ワクワク ドキドキ
怪談良いねぇ

では皆さん夜道にはご用心

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ