●怖い噺 壱
□いわくつきのU字溝
1ページ/1ページ
実家いた頃の話
実家では毎月一回くらい集まって地区の道路の掃除とか酒飲んだりする日がある
その日は昔から有りすぎてもう何を奉ってるかも分からない神社だかお寺を掃除する日だったんだ
村の爺ちゃん婆ちゃんは何故かそこには近づかないので、その息子たちの世代が半年に一回くらい掃除するんだ
でもそこの一ヶ所のU字溝の付近はいわくつきと言うか、近づいたら死人が出るって言われてた
けど親父達の世代はそんなの年寄りの迷信だと思って構わず掃除してたんだ
そしたら昼間は元気だった近所のおじさんがその夜突然亡くなった
それ以降その家は幽霊屋敷になったんだけど、それはまた別の時に
で、自宅の風呂場で亡くなってたから警察とかも来たんだけど死因は脳梗塞かなんかだって言われてた
ただ昼間凄い元気で健康そのものだった人が急に亡くなったし
その人がU字溝を掃除してた人だったから暫くはその噂で持ちきりになった
それから色々有って掃除は無かったんだけど、数年後にまたそこの掃除が来た
年よりたちは反対だったらしいけど一応神聖な場所だからU字溝を避けてやることに決まった
けどやっぱり迷信だと気にしない人もいるわけで、U字溝を掃除しちゃった人がいるんだ
その時はヤバイって人達と笑い話になる人達といて、実際に気にする人もいなかった
でも次の日の昼間、掃除した人が農機具に巻き込まれて亡くなった
吸い込まれるように刃に潜っていって亡くなったそうだ
そんなこともあってさすがに何かあると思ったけど、知ってるかもしれない年より衆もみんなもう亡くなってたしこの科学の時代に怖いとは思っても本気で信じる人はいなかったらしい
同世代が二人も亡くなって流石にあそこは避けようってことになり次の掃除の時は近づく人もいなかった
掃除も順調に進み伸びてきた木をうちの親父がチェーンソーでが切ってたら足場にしてた太い木が急に倒れ
木から落ちてたら大惨事だったんだど近くにいた親父の友達が下から支えてくれて事なきを得た
でも親父の友達が親父を支えた場所が問題で、その場所は掃除しないようにと蓋をしたU字溝のちょうど蓋の上だったんだ
そこにいたみんながこれは不味いぞ…って空気になったけど蓋の上からだったし大丈夫だろうと思ったんだ
でも次の瞬間
下から叩いてるような音と共にU字溝の蓋が二〜三回が上下に動いた
大人二人を乗せたままU字溝の蓋が上下に動いたもんだから掃除はそこまでにしてもう解散ってことになった
帰りはみんな無言だった
親父の友達が亡くなったのは次の日の昼間だった
釣りに行って海に落ちたそうだ
一緒に行った人達は普通に会話してたのに急にフラつきながら海に落ちたからびっくりしたそうだ
親父は一緒に行った人達に何ですぐに助けなかったと食ってかかったけど海に落ちた時にはすでに亡くなっていたそうで助けようが無かったそうです
親父曰く今年は震災で掃除は無かったけど今後掃除が有ってもあそこには行きたくないとのことです
以上地元で実際に有った心霊現象なんか信じない親父の体験した話でした
‐終わり‐
神様を祀る神社での噺…