●怖い噺 四


□ベランダの女
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俺が小4の時の実体験

俺が初めて学校をサボった時の話です

親にばれると怒られるのはみえてたから学校に行くフリをして家の近くで時間を潰した

姉貴と両親が出かけたのを確認してから鍵を開けて家に入った。もちろん家には誰も居ない。リビングに行って最初にまずテレビをつけた。実はそのサボった日の次の日は遠足だったんだ。だから俺は天気が気になってた。だから天気予報のやってるチャンネルを真っ先に見た。今日と明日は降水確率0%でまず雨は降らないだろうという予報だった。明日の遠足は中止にならないなぁと思いながら俺はお菓子を食べながらくつろいでた

すると突然勝手にテレビが消えたんだ何回もリモコンでつけたんだが10秒くらい経つと消えてしまう。家に誰も居なかったしちょっと怖くなって俺はその場で寝た

数時間たって物音がして目が覚めた。なんかうるさいなぁ…と思ってベランダの方を見たら雨が降ってて雷が光ってた

あれ?さっき天気予報で雨は降らないって言ってたのにな…なんて思ってるとベランダの方で何かが動いてるような気がしたんだ。雷だろうと思ってベランダを見た

そしたらカーテンの隙間から…白いワンピースを着た茶髪で長髪の女がこっちを見ていたんだ… たぶんその女を見てた時間は1秒…
いや、もっと短かったかもしれない。幼いながらもその短時間で自分の立場のヤバさを理解した

顔ははっきりと見えなかった。というか見なかった。俺はあまりの恐怖でその場にしゃがみこんでもう一度寝た

それから30分位経ってからまた物音がして目が覚めた。ドアの方から鍵とあける音とドアが開く音がしたんだ

母親か姉貴が帰ってきたんだと思って俺は安心した。だけど1分程たっても足音一つしないしこっちに向かってくる気配がないんだよ
「お母さん…?帰ってきたん?」ドアの方に向かって小さな声で話しかけた。返事がない

それと同時にさっき見た女の事を思い出したら半端なく怖くなってた。怖いって思うと余計怖くなるからもう何も考えないようにしようって思ったんだ

そんな事を考えてたらいろんな事が頭によぎってもっと怖くなった…寝ようかな…でもあんなに寝たのにまだ寝れるかな…とか俺はうつむいて考えてた

すると突然背中の上に誰かが乗ってきたんだ!見てないけど感覚で人だという事はわかったよ。うまく説明できないけどさ、手で肩を持って足は正座した状態で背中の上に乗られているような感覚だった

痛いぐらいの力で肩を握られてて中々落ちなかった。俺は何の疑いもなく姉貴だと思った「おかえり〜!なんで乗ってるねん〜やめろや〜!」って笑いながら話しかけたんだ

だけど何も話さない「姉貴・・・?」やっぱり返事はない。俺は姉貴じゃないと確信して振り払おうとした

その瞬間『なんで私だけなの』ってトーンの低い声が聞こえた…自然に涙が出て気を失いかけてた。そんな極限状態の時にいきなり首を絞められた。そこからは気を失って記憶がない。もちろんだが気を失ったのはこの時が初めて

目が覚めたらリビングの横にある床の間で俺は寝ていた。リビングに目のやると母親が座ってた。俺が「あれ…俺寝とった?」と話しかけると「○○○(俺の名前)…大丈夫なの?心配したわ」と母親は心配そうな顔でこっちを見た

それで俺がどうなっていたのか説明をうけた。母親の説明によると母親が帰ってきたら俺はベランダで倒れていたらしい。救急車を呼ぼうとしたら「呼ばなくていい」と俺が言ったとの事だ。もちろんそんな事を言った覚えは全くなかった

とりあえずこの事はもう考えないようにしようと思った。その夜俺は普段通り風呂に入ろうとした。それで服を脱いたらあったんだよな…手形が肩にくっきりと握ったような赤い痕がついてた・・・

その痕は2日くらい消えなかった。まぁ俺が体験したのはここまで

ここからは後日談だけど本当に怖いのはここから。俺がこの体験をした2日後俺は学校帰りで家の前を歩いていた

すると警察や救急車がうちのマンションに集まってた。何事かと思って事情を聞いた。俺の上の階の住民がベランダから落ちたらしいと…警察は現場の状況から自殺と判断

俺が体験した事と関連があるかはわからないがどうも他人事とは思えなかった

それから1年後に俺は親の事情で引っ越したがその1年間は何も起きなかった

−終わり−

こう言う話し聞くとマンションとかアパートとか団地に住むのが怖くなりませんか?
直接的に自分には関係なくても上の階や下の階の人の無差別の怨念で…

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