●怖い噺 五
□こっくりさん
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これは30年くらい前に、わたしが小学2年の時に小学4年の兄が実際に体験した怖い話です
その日の夕飯時、兄の顔は青白く、いつもの元気な兄じゃなく
悲しそうな不安そうな感じで体調が悪そうでした…
気になった父が兄に「どげんかしたつや?」(福岡弁でどうかしたのか?の意)
と、聞いた直後 ジリリリリン!ジリリリリン!と電話が鳴り響きました(当時まだ黒電話)
兄は電話の音にビクッ!と、反応していました
母が電話に出ると兄の担任の先生からでした
兄にかわってくれということで兄がかわり何やら話を聞かされて兄は、はい、はいと返事していました
数分で電話は終わりました
兄が食卓に戻ると父はすかさず「何かあったつや?」(なんかあったのか?の意)と聞きました
兄は急に涙目になって、うぅぁぁと言って大粒の涙を流しながら今日学校であった事を話だしました
わたしはよっぽど怖いめにあったんだな!と感じました
当時…今もかな、こっくりさんが流行っていたらしく
学校の昼休み兄とガキ大将グループ数人でこっくりさんをやったそうです
女子生徒は辞めたがいいよ!とさんざん忠告したそうですが、ガキ大将のEさんは強がって聞く耳をもたなかったそうです
こっくりさんを呼んで、紙に書いた絵、文字とコインを使って、こっくりさんにいろいろと質問したそうです
それがズバリ!的中していて周りのみんな、おぉ!!と驚いていたそうです
こっくりさんをやめるときにはこっくりさんに帰ってもらってから
紙をチリチリにさいて外にバラまくというルールがあるそうです
また、こっくりさんがなかなか帰らない場合があるらしくその時は、帰るまで根気よく質問つづけたり帰るのを待つしかないそうです
この時のこっくりさんはなかなか帰ってくれたなかったらしく…
昼休み時間も終わりに近づいていたそうです
と、Eさんが何をおもったのか、急に
「なんかこん奴めんどくさかぁー!」
(このこっくりさんめんどくさい!の意)と言って、急に紙を丸めて3階の教室から校庭に投げたそうです
クラス中、ヤバい!とか、バチ当たる!とか騒然となったそうですが…
ガキ大将Eさんは強がって気にもしてない様子だったそうです
午後の授業が始まったそうです
さっきの騒然となった雰囲気はなくなり担任の先生の声以外聞こえず静かな教室だったそうです
兄はEさんが気になっていたらしく、Eさんをチラチラみていたそうなんですが…
時間の経過と共にEさんの様子がおかしいのに気づいたそうです
顔は黒板を直視して血の気の引いた真っ青で、体が小刻みに震えていたそうです
次の瞬間、ツーン!と鼻をさす獣の匂い!?みたいのがクラス中に立ち込めたそうです
みんな鼻を抑えざわめきだしたそうです
先生が窓を開ける様に指示しましたが、悪臭は消えなかったそうです
きゃぁ!と、突然Eさんの隣の女子生徒が悲鳴をあげたそうです
Eさんの様子が明らかにおかしいのです
体をプルプル震わせながら、目はキツネ!?みたいにつり上がり
猫のように手を丸めて顔のあたりをなでたり丸めた手をなめたり
口からは大量のヨダレをたらして…
異変に気づいた先生がEさんに近づき
「どうしたの?」とたずねました
Eさんは何も答えず、次の瞬間 うぉぉん うぉぉんと異様な鳴き声を出しはじめたそうです
また、Eさんの目からは大量の涙が流れていたそうです
−終わり−
呼び出しておいて面倒臭いと言うのは…
呼び出したら、元の居るべき所に御返しするのが当然でしょうに