●怖い噺 五


□あぜ道
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これは私の友人kが5年前にそこに引っ越したばかりのころ

『かくかく』に遭遇した話だそうです

『かくかく』とは友達が勝手に着けた名前ですが

ある日私の友人kはコンビニに夜食を買いに徒歩で向かっていました

kの家とコンビニまでは約500m

しかし500mというのは
田んぼの周りを大回りに道ができているためで田んぼを通って行くと結構近道になるらしくkはいつも田んぼ道を歩いていました

田んぼ道には約30mおきに街頭があり
電灯と電灯の間は結構暗いらしいです

そこをkが通っていると
先の電灯の下に白のワンピースを着た髪の長い女性が前を向いて立っていました

不思議に思ったkは彼女に話かけようと、そこまで近づこうとした瞬間、すべての電灯が消えました

一瞬真っ暗になり
どうしたんだと思ったものの
すぐに電灯はつき
そこには彼女がいなくっていました

少し変だと思ったkでしたが、きっと見間違いだろうとまた歩き出しました

そのとき後ろからすごい視線を感じ振り返ると
なんと彼女が自分の後ろの電灯の下に
笑いながら立っていました

それを見たkは
「なんだ?どうして彼女がおれの後ろに?
おかしい、あの一瞬の間に俺の後ろの電灯まで移動した?ありえない、それにここは砂利道、なんの音も立てないでどうやって…?」などといろいろと考えていると

いきなり彼女がこちらを指差しながら
首をかくかくと横にふりだしました

これはマジでヤバイと思ったkはコンビニに向かって走り出しました
帰路には彼女がいたため通れなかったのです

kはこう考えました
「そうだ、とりあえずコンビニに行ってしばらくしたら普通の道から帰ろう…」
そう思いながら走っていると
またすべての電灯が消えました

「なんだ、どうなってるんだ、今度はすぐにつかないじゃないか!」

焦ったkは暗くなった砂利道を走りました
ほとんど何も見えない

そのときkは誤って足を踏み外し田んぼに落ちてしまいました

焦るk
しかしなかなか足が抜けない

なんとか足が抜けたものの

なぜか足が重い…
なんとそこには青白い手が足をつかんでいました

狂いそうになるk
そんなのおかまいなしに田んぼに引きずりこもうとする手
それでもなんとか手を振り払って走ったkはコンビニになんとかつきました

コンビニに着いたkはしばらくして
さっきの出来事を思い出しました

そうだきっとあれは幻覚だ
すべて夢だ、そうに決まってる
自分にそう言い聞かせ落ち着こうとするk
その姿を見た店員がさらに追い討ちをかけます
店員「あの〜、その足どうしたんですか?泥だらけのうえに、なんか手形みたいのついてません?」

唖然とするk
もう帰りますと店員に言い
帰宅しようと普通の道を通り帰っている途中

またワンピースの女性がたっていました

足がふるえて動けないk
というより体が思うように動かない

彼女はまたこちらを指差すと
首をかくかくと動かしながらこちらに向かってきます

その手はこちらをさしている手は
まるでなにかに殴られたように痣がたくさんできていました

kとあと5mまで近づいたところで
「どうしてくれるの…?」と一言

声にならない悲鳴をあげるk

とうとう目の前まで彼女は来て一言
「…おかえし。」と告げると
目をくわっと開き、口を笑うように大きくあけ消えていきました

その後5分ほど動けなかったものの、やっとからだの自由がきくようになりました

そしてなんとか家に帰宅でき
そのときはすごく疲れていたのか、すぐに眠ってしまったようです

翌日起きるとなぜだか腕が痛む…

「なんだ…?」と自分の腕をみると、自分の腕が痣だらけになっていました

−終わり−

白いワンピースに長い髪の女性の霊
多いですね
この格好が王道なのでしょうか…

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