●怖い噺 六


□電気をつけなくて良かったな
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ある女子大生が先輩のアパートで行われた飲み会に参加した時のことだ

飲み会が終了した後、彼女はアパートを出てしばらく歩いていたのだが、ふと先輩の家に携帯電話を忘れてきたことに気づいた

彼女はアパートに引き返し先輩の部屋に戻って呼び鈴を押す。ところが反応がない

ドアノブをまわすと鍵は掛かっていなかったので彼女はそのまま中に入っていった

部屋の中は電気がついておらず真っ暗でどうやら先輩はもう寝てしまったらしい

無用心だなと思った彼女は電気をつけて先輩を起こそうかとも考えたが、先輩がかなり酔っていたのを思い出してやめておき真っ暗な中で自分の携帯電話を探し出すと

「忘れ物をしたので取りに戻りましたー」

とひと声かけて部屋を後にした

翌日、彼女が先輩のアパートの前を通りかかるとなぜか大勢の警官が集まっている。事情を聞いて彼女は驚いた

なんと、あの先輩が部屋で殺されたというのだ。部屋は荒らされており物取りの犯行かもしれないという

「あの時電気をつけて先輩を起こし、きちんと戸締まりをするよう注意していたらこんな事にならなかったのに…」

彼女が自責の念でいっぱいになりながら昨日その部屋にいたことを警官に話すと部屋の奥から刑事が現れて彼女に見て欲しいものがあると言った

「部屋の中でこのようなメモを見つけたのですが、これの意味がわからないで困っていたのですよ。何か心当たりはありませんか?」

彼女はそのメモを見て青ざめた

そこにはこう書かれていたのだ

「電気をつけなくてよかったな」

−終わり−

定番ですねベッドの下の男と同じ類
一人暮らしって怖いですよね…こう言うのを見ると

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