●怖い噺 七
□噂のマンション
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私が学生だった頃のある日
AはAの友達らとその頃噂になっていたとあるマンションの自殺が起きた一室に行く計画を立てていました
そのマンションはAや私の家から近く自殺 が起こったのは確かな情報でした。しかも自殺した住人の部屋の中は当時のままという噂がありました
Aが立てた計画の内容はAを含めた3人でその部屋に行き自殺した住人の私物を持ち出すという計画でした
Aは普段からその様な事が好きで私は(いつもの事だ)と思い止めはしませんでした。今思えばあの頃本当に止めれば良かったと思っています
さて、その計画の話を聞いてから数日後私は学校にAが来ていなかったのに気付きその計画を一緒に考えていたAの友達(B)に話を聞きました
Bが言うにはAが私に計画を話した日にその計画をみんなで実行していたらしくその計画の結末は暗い顔をして何も教えてくれませんでした
しかしAは私と親しい仲でその日の夜心配で寝れませんでした
気になった私はそのマンションに行く事にしました
行く途中、何度も恐怖感や吐き気に襲われ来た道を返そうかと何度も考えました
しかしAを思うと帰る事はできず気付けば結局一階のエントランスホールに立っていました
掲示板には二週間前の自殺の件のチラシが貼ってありました…ん?違う!
よく見ると日付は三日前でA達が計画を実行した日でした。私はまたしてもとてつもない恐怖感と不安に襲われました
内容は飛び降り自殺、死体の状態がひどく誰かまではまだ特定できていない様でした。その時私はふと思い出しました。Bの暗い顔を
考えたくはなかったけど体を押しつぶす様な不安な気持ちが私を襲いました
私の中の怖い気持ちを抑えつけ自殺があった例の一室に向かいました。ドアの前に着いて深呼吸をしたあとドアノブに手をかけました
[ガチャガチャ]
開かない。鍵が閉まっていたのです
今思えば事件があった部屋の鍵が開いているはずがない。だったらAも入れなかったのではないだろうか何だかほっとした気持ちで階段に向かっていると
[カチッ]
…鍵の開く音がしました
…え?警察か捜査員かな?
そんな事を考えながらドアに戻り扉を開けました。しかし玄関には誰もいなく人の気配すらしませんでした
(誰かいるんですか?)
そう言いながら私は奥へと進みました。しかし誰も見あたらなく目についたのはリビングに落ちていたAの生徒手帳でした
..嘘でしょ?
生徒手帳を傍観しているとベランダで何かが動いた気がしました。私は急いでベランダに出ましたが誰もいませんでした
ふと下を見てみるとAがこちらを見上げて立っていました
私はAを数回呼びましたがAはただこちらを見ているだけでした。私はふざけているのだと思い急いで下に降りました。しかしその場にAはいませんでした
どこかに隠れているのだろうか私がどれだけ心配したかも知らずに
私はその事に怒りを感じ帰る事にしました。一気に安心した事で帰ってすぐ寝る事ができました
しかしその翌日担任の口から信じられない言葉が出ました…Aの飛び降り自殺 という話です
私はショックで体調を崩し学校を早退しました
自分の部屋につくと今日渡そうと朝カバンに入れたはずのAの生徒手帳が机の上にありました
あれ? 確かに入れたはずなのに…そう思いながら生徒手帳を開くと血で(助けて)と書いてありました
私はこの事は誰にも言いませんでした
結局Aが自殺したのか、誰かに殺されたのかは未だにわかりませんが
あの一室が関わっている事は確かだと思います
しかしあのマンションはもう取り壊されたので全てが謎に包まれたままです
−終わり−
自殺マンションって話し話あるよね