●怖い噺 壱


□妖怪モノ隠し
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俺は大雑把な性格で、子供の頃からよく無くし物をした

消しゴムとか、ペンのキャップとか、そういった物
どれも高価な物じゃないし、然程気にしていなかった

この間、PCの前で爪を切ってたんだけど、視界の端に青い色がチラッと見えた

それで、フラッシュメモリの蓋を座卓の隅に置いてたことを思い出して

フラッシュメモリのキャップを、今までに5個は紛失してるんだよね
こういう関係ない所に無造作に置くから無くすんだよな…と思って
後で回収しないとな
なんて考えながら爪を切り続けていたら
視界の端で白い物が動いた

それが見えなくなった途端座卓の上から青い色が消えた

はっとしたが俺は気付かなかったように爪を切り続けた
キャップのことなんか、すっかり忘れている風に振る舞った

俺みたいによく物を無くす人、居ないかな

それって本当に自分が無くしているのかな

しょうもない物を盗んでいく、あの白い小さな手を見た人は居ないのかな…

−終わり−

しょうもない物なら兎も角

大切なものなら
全力で取り返そうとしてしまいそうですね…

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