●怖い噺 弐


□肝試し
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僕が高校生の頃の話です

ある晩、先輩たちと6名で飲み会をしていると
肝試しに行くことになり○○トンネルに行くことになりました

そこは山の中腹にあり、廃屋があってすぐ隣に軽自動車が一台通れるぐらいの真っ暗な気味の悪いトンネルです

話を聞くと、廃屋では一家惨殺があり
その中のお婆さんが隣のトンネルに逃げたところ
犯人に追い詰められ殺されて
気が狂った犯人もその場で自殺したと言う話でした

酒も入り
初めての肝試しということで僕はワクワクしていました

車に乗り込み1時間ほど走り近くに車をとめ5分ほど歩くと現場に到着しました

そこは想像以上に気味の悪い場所で
廃屋は昔ながらの一軒家で縁側から中が一望でき
家の中は布団や家具が散乱していました

あまりの不気味さにトンネルだけ入って帰ろうということになりました

トンネルに入ると、夏なのに涼しく
下はドロドロで
何とも言えない空気が漂っていたのですが
みな無事に出てくることができました

トンネルを出た僕たちは帰ることになったのですが、なんとなく廃屋を眺めていると
3名が先に車に戻ってしまい
気づいたら僕を含め3人になっていました

「先に行っちゃったね。俺らも帰るか」なんて言っていたそのときです
山の上のほうから「キャーーーー!!!」という女性の声が聞えたのです

「聞こえた?」
「聞こえたよ。早く帰ろう」
3人とも聞いていました

怖くなった僕たちは急いで車に戻りました
帰りの車の中、怖かった半面、話題ができたと思い僕は少し上機嫌でした

次の日です
夜、母親と二人で食事をしていたときその話をしました

「昨日さー、先輩たちと肝試しに行ったんだ」
僕は母親に事細かくいきました

すると、僕はだんだん寒くなってきました
その日は真夏です

話が進むにつれ、僕はどんどん寒くなっていき話が終盤に近付くと歯ガチガチいわせながら話ていました

なんだこれはと思いながら話を進め、震えながらやっとの思いで話終えました

話が終わると今度は母親が徐々にうつむいていきます

様子がおかしいと思っていると、母親が弱って行くにつれ僕の震えがすこしづつおさまってきました

母親は「今あんたから真っ黒い波打った何かが私に入ってきた。これは私が何とかする。だからあんたはもうそんな所行っちゃだめだよ」
と言いました

何がなんだかわかりませんでした

今、母はげんきです
僕はそれ以来肝試しはいきません

−終わり−

どうして みんな肝試しをしたがるかな…

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