●怖い噺 弐
□山には絶対に鏡を持ち込むな
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今は亡き婆ちゃんから聞いた話
婆ちゃんが曾婆ちゃんとか
先祖から言われてきた事
「山には絶対に鏡を持ち込むな」
山は人ではないモノに逢う事が多いが
通常は気付かないフリでやり過ごせる
でも鏡は異なる存在同士を結び付けてしまう力があるらしい
婆ちゃんが先祖から言われたのが
「山で鏡に自分自身を写した時、昼なのに背景が夜になってたら手遅れだ」
既に自分の存在が
「人とは異なるモノ」の世界に取り込まれているらしい
そういう時に「神隠し」が起こるらしい
さらに言うと「完璧な神隠し」というのがあって
この場合は居なくなった事
もともと居たという存在を消されるらしい
たぶん山での遭難を避ける戒めだと思うが
この話を聞いた時は正直怖かったな
−終わり−
山には色々なモノが居ますからね