●怖い噺 弐


□エプロンおじさん
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洒落にならないか知らないがそういう話

俺が小学校の頃だから30年ぐらい前

学校帰りに「誕生日」の話をしてはいけないと言われた

例えば「今日、俺の誕生日なんだ」とかね

何故いけないかは下記の通り

集団下校の帰りにある兄弟が友達に誕生日なんだと話していた。道草をして家に帰ると台所からカレーの良い匂い

「やった、今日はカレーなの?!」と喜んで兄弟が台所へ行くと「あぁ、そうだよ、お前の誕生日だからね」と聞いたことのない男の声

足元には刺された母親の死体

あまりのことに兄弟が凍り付いていると、エプロン姿の男は二人を椅子に座らせる

カレーを完成させた男は向かい側の椅子に座るとハッピバースデイを歌い始める

「幸せかい、幸せだろう」と男はニタニタと笑いながらカレーを食わせる

二人が震える手でカレーを食べ終わると男は立ち上がってエプロンを脱ぎ玄関から出て行ったそうだ

父親が帰宅すると放心状態の息子達と妻の惨殺死体が…

「幸せオジサン」とか「カレーおじさん」とか「エプロンおじさん」いう名前で、うちの田舎で語られていた話まったく不審者は怖いね

明日は貴方の町でハッピバースデーかもしれません♪

−終わり−

誕生日にカレーって…せめてケーキにしろ、ケーキにっ!!
幽霊も怖いけど人間のが怖いかもね…だから僕は“死体ラブ”

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