●怖い噺 弐
□教室の絵
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中学の時にの隣のクラスの話し
隣のクラスは頭に軽い障害がある男子一人をほぼクラス全体でいじめてた
知的障害、自閉症、そいつがどんな病気だったのか実際知らないけど見た目も肥満で常にオドオドしててとにかく何をやっても駄目な奴だったのは知っている
言葉から始まったイジメは数カ月後には暴力になったらしい
数人で頭を殴ったり、裸にしてゴミ箱に逆さに入れたりしてるのを自分も数回見た
でもそいつは先生に言ったりしなかったらしい、心底おびえきってたのか言う頭すらなかったのか…
事件はたくさん宿題を出された夏休みが明けて二日目の登校日に起きた
そいつのクラスは美術の時間だった
夏休みの宿題の美術では絵を提出することになっていた
やっぱりみんなが期待するのはそいつの絵だ
そしてそいつの番が来てみんな呆れた
綺麗に塗られた黄色い背景、真ん中で可愛いカエルが三匹♪を出して唄っているそんな絵だった
誰もがお前自分で描いてないだろと笑いながらヤジを飛ばした
先生もこう言った
「○○、自分で描こうな」と
その瞬間そいつは机を叩いてこう叫んだらしい
「おれがしゃべってたのに!おれがしゃべってたのに!」
一同は?となっていると、そいつは走り出して美術室のドアに思い切り体当たりしてドアを破りそのまま倒れて動かなくなった
そのまま病院に連れていかれそいつはそれから学校に来なくなった
それから数週間後知人が登校すると教室が騒がしかった
なんでもそいつが引っ越すことになったらしく朝早くに両親と担任に挨拶をしに来たとのことだった
そして担任の先生はそいつがみんなにありがとうと言っていたことと
一枚の絵を預かったから後でみんなで見て教室に飾っておくようにと言って職員室に戻って行った
担任がいなくなるとみんな気持ち悪いとか言いながら絵の入った筒を投げたりゴミ箱に入れたりしていたらしい
それで誰かが投げた時に筒の蓋が取れて丸まった画用紙が飛び出てきた
知人が広げた瞬間クラス全員が絵から離れた
その絵は明らかにそいつが描いた物ではなく
この教室の絵だった、ひどく薄暗くでもかなりリアルに描かれた教室
そしてそいつ以外の全員の机に葬式用と思われる花が置いてある絵だった…
自分も見せてもらったが両親がそういう意図で描いたのは間違いないなと思った
担任は頑なに飾ると言い張り結局その絵は知人達を見続けるように黒板のうえに貼られていた
その後どうなったとかはありません
ただ自分もイジメを見て見ぬふりをしていた事実があり今もあの教室の絵に呪われているような感覚に陥るのです
−終わり−
今はイジメで自殺なんて言うニュースもよく目にします
自分は関係ない なんて都合の良い言い訳なんてして
見ていて助けないのも立派なイジメなんですよ
もしその人が自殺でもしたとすれば 見て見ぬふりをしたアナタは立派な殺人犯ですよ