黒猫×
□隠れの霧の見ゆる鬼
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「全く…、アルコバレーノも人使いが荒いですね……」
フゥー…。
と、ため息を吐き出して僕はモニターに目を向ける。
インフェルノの隊員の身体を乗っ取り、此処に潜入してからもう一月程になっただろうか……?
何時もと同じ様な任務。
さっさと終わらせて帰るつもりだった…。
なのに。
「まさかインフェルノの如きが、これ程までも情報操作に精通していようとは……」
そう、それが僕をいつまでも此処に留まらせている理由…。
このインフェルノには驚く程情報が少ない。
今ハッキングしているメインコンピュータにも、果してどれ程の情報が有るのやら…。
「やれやれ、ですね…」
(これは後で、それなりの報酬を貰わねば…) と僕が考えている内に、どうやらメインコンピューターへのハキッングに成功したようだ。
カタカタと、絶え間なくボードを叩く音が室内を満たす。
僕は情報の取りこぼしが無いよう、食い入る様にパソコンの画面を見つめる。
そこに記されているのは未だ見たことの無い情報。
「これはこれは……。
苦労してハッキングした甲斐がありましたね…」
僕は口角を上げて、次々と映し出される情報に意識を集中した。
すると不意に、気になる単語が目についた。
【今期鬼姫及び鬼神の処遇及び制限について……】
(“鬼姫”と“鬼神”……?)
記された名に疑問が浮かぶ。
確かにインフェルノには、ボンゴレにとっての僕達“守護者”のような存在である、“鬼”がいるとされてはいる…。
しかし……。
「鬼は…、2人居る……?」
“鬼”と名の付く、姫と神……。
(クフフ…、面白くなってきましたね……)
口角を上げた僕は更なる情報を得ようと、画面に集中する。
しかし、
その瞬間。
奇怪音が画面から発せられ、画面が黒く塗り潰される。
そんな中。
ゆっくりと漆黒の背景に表れた、
飛び散る鮮血のような、紅い文字……。
【Prenda il giudizio
dell'orco dell'inferno
una persona stupida】
(愚かな者よ
地獄の鬼の裁きを受けよ)
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