黒猫×

□戻りし霧の消えた真実
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今、俺達は10代目を先頭に本部の通路を無言で進んでいる。
俺達とは、俺と山本と笹川、それにクロームとリボーンさん。

今現在、負傷した雲雀を除き、この本部にいる主要メンバーの全員と言える。
そして、その全員の表情は一様に険しい…。
あのいつも能天気な野球バカの山本と、極限バカの笹川でさえも重苦しい雰囲気を纏っている。


……あの後、10代目に言われた通り山本達を呼びに行った俺は、傷だらけの雲雀に目を見張る山本達を余所に、その後聞かされた僅か十数分間に起きたとされる事態を把握するのに随分と時間を有した…。

何故なら…






「インフェルノを襲撃したアジェストファミリーが全滅した。
襲撃に参加していなかった本部の部隊も…だそうだ…」






重々しくそう10代目が仰ったのは本当に俺が山本達を呼びに行っていた十数後のことだった。
それは、アジェストからのインフェルノ襲撃の知らせから…約20分という短時間でアジェストが壊滅されたという信じ難い知らせ…。


初めは冗談かと本気で思った。
事実俺は無意識にそう呟いていたらしい…。

俺に一度視線を合わせた10代目は、徐にその横に佇んでいたリボーンさんに目配せした。
それに頷いたリボーンさんが懐から取り出したのは、一枚のディスク…。






「…ボンゴレに応援を要請したアジェストからの通信記録だそうだ…」






そう仰ったリボーンさんは、雲雀の横たわるベッドの隅に設置されていた、小ぶりのデスクの上にあるノートパソコンにそのディスクを入れた。






〔………………



こちらボンゴ「助けてくれっ!!!
アジェストに早く来てくれ!
侵入者が!ボスに連絡がっ…!!!」
落ち着いて下さい。
どういった状況なのですか〕


〔分からねぇ! いきなり現れて皆殺しにされてるんだ!早く!早くしねぇとッ!!!…「第一館制圧され…第二館もやられたッ!!!」 「くそッ…第三館もだっ!」 「うわーッ!!!この第四館にまで!」 くそッ! インフェルノへ向かったボスには連絡がつかないんだ! 早くッ…早く応援をく…【バンッバンッ】「ぐぁッ…」 「ガッ…」 ……マイケル! アレスッ!くそッ!!! 誰だッ!きさ…………なっ…、嘘…だろ…? 何で貴様が…お前は死ん…【パンッ!】……………………………………………………………………………………………………………………………………〕

〔どうしました? 今、どういった状況【パンッ…】ガガガ…ツーーーー………………………〕






シーンと静まり返った室内。
重苦しい空気が満ちている。






「…この後アジェストからの連絡は無い。
アジェスト本部もインフェルノへ向かった部隊もどうなったか分からない。


向かうぞ………」






そう宣言し、スッとお立ちになられた10代目に続き、俺達も部屋を出る。



向かう先はインフェルノ<地獄>。

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