黒猫×

□そして新たな物語へ
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厚い雲が空を覆う。



まるで新月のように月明かりの無い暗闇の中、6つの人影が突如として室内に現れる。


忠臣の如く方膝を地につき頭を下げる彼等の前には、窓を背に光の無い空を見上げる一人の青年。








「お呼びですか、月影様……」








黒衣に身を包む彼等の内、一人の男が口を開く。

その声に今迄沈黙していた彼等の主が、ゆっくりと其方に目を向ける。








「…………ボンゴレが本格的に動きだした…」








重々しく主の口から告げられたその言葉の重みに数名が息を呑む。

彼等にとっても彼等の主にとっても、出来るならば避けたかった事態。








「…あの日、アイツは“呪”を抑え切れていなかった…。


カバーしきれなかった俺のミスだ…」








そう口にする主に、「そんなこと!」と数名が顔を上げ叫ぶ。

声を発さない者もその時の光景を思い出し、自らの無力さに悔しそうに顔を歪める。


そんな自分の部下達を目にし、青年は静かに窓から離れる。

コツ、コツとゆっくりと奏でられる革靴の音は、静寂に包まれる室内に酷くよく響く。


スゥッとその音が消え、先程顔を上げなかった者もゆっくりと視線を上げ主の姿を目にする。








「アイツを…俺達の“姫”を、何者であっても傷付けさせはしない…」

































「絶対に」









そう彼等の主が口にした瞬間。


今迄闇に包まれていた室内が、突如として割れた空の合間から溢れる月光によって、淡く照らされる。

彼等の目に映るのは、夜闇の中、漆黒に映える主の姿。


かつて不吉を届ける黒猫とまで称された男。

そしてその輝く黄金の瞳に宿るのは、獲物を見据える鋭い光…。








「…アイツに…“姫”に仇なすものは決して逃すな」








与えられた命に彼等は応える。



















「「Yes. My master」」



































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