Poem

□どうして…?
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ねぇ、どうして私じゃないの?


どうして貴方なの?


ねぇ、どうして…?



私は、貴方みたいに強くない。


自分の身を自分で護れない。


人を斬ることだって出来ない。


だけど、貴方は違う。


私より何倍も強くて、


人を斬ることを楽しんで、


自分どころか、私の事まで護ってくれる。



そんな貴方がどうして…?


どうして貴方が病に苦しまなければ、


いけないの?


私が病に掛かれば良かったのに…。


貴方が苦しむのを見てるのは、


つらすぎて…。



私が代わってあげられたら…って、


何度も考える。


だけど、そんな事出来る訳ないから、


せめて、貴方のために出来る事を考える。


貴方が楽しく一日を過ごせるように…。


そんな事を考えながら、


毎日貴方の看病をする。


ある日、貴方は私に、問いただした。


“どうして僕の看病をしてくれるの?”


私は一瞬考えた。そして答えた。


“貴方は私を何度も助けてくれました。
だから、今度は私が…。”


そう言うと、


貴方は起き上がり、私を抱き締めた。


そして、こう言った。


“ありがとう。君は僕にとって大切な人だよ…。”


この“ありがとう”が、


貴方が私に言った


最初で最後の“ありがとう”だった。



End…。

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