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□バンガゼ
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「好きだ。」

「……………っ!?ガゼル…?」

「だから………好きだ。
返事は後でかまわないよ。」


エイプリルフール。
嘘をついてもいい日だ。
だから、臆病な私はこの日を利用する。
返事がオーケーならば付き合いたい。
だめなら嘘だと冗談で終わらせる。仲を壊したくなんてない。
――なら言わなければいい。
そう思ったことがなんどもある
でも、思っていた以上に私はあの馬鹿のことがすきだった
しかし、私は本当に臆病だ。
好きな奴に思いを伝えることさえ怖いだなんて、自分でも笑ってしまう。
だから、今日。
私は少しの期待を込めて伝えた言葉。


(好きだ。)


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今日はエイプリルフール。
ヒートも騙したし、もちろんグランだって騙した。
でも、ガゼルは最後。

俺は今日を利用する
ガゼルに告ろうと思ってる
嘘ついてもいい日。
ガゼルはきっと俺のことが好きじゃない。
そんなガゼルにマジ告白でもしたらひかれるに決まってる
だから、ふられれば嘘
奇跡的にOKなら付き合うしダメなら嘘で終わらせる
――臆病だな。
そう思ってもやっぱり、あの寝癖のことがすきだった
でも俺って想像にヘタレ
今も仲がいい訳じゃないけど、そんな少しの関係の崩壊を何よりも恐れている。そんな俺は今からガゼルに告る

そしてガゼルの部屋に向かおうと立ち上がったとき、

コンコン、

「入るぞ。」
「えっ!あぁ!いいぜ」

ガゼルが部屋に来た。
うん、すんごいビビった。
コイツがくるなんて思わなくて、告ろうと思ってた本人登場。
こんなサプライズいらねーよ!


「バーン。」
「あ?何だよ?」

俺はどこの不良だよ。
とツッコミたくなるような態度。しかし、ガゼルは気にした様子もなく続けた

「好きだ。」

聞き間違いって怖い。
俺の妄想肥大化してませんか?

「……………っ!?ガゼル…?」

聞き返す。
期待と不安とで聞き返す。

「だから………好きだ。
返事は後でかまわないよ。」

恥ずかしそうに、気まずそうに視線を逸らすガゼルが可愛い。
でもそれを気にしている余裕もないほどには動揺していた。
喉に引っかかった言葉。


(俺も好き!)






アトガキ
なんかバンガゼって書くと初々しい感じになってみてるほうが恥ずかしい感じになります。
ああああああああああああああ。
はずかしいぃぃぃ

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