ほしぞらの物語

□僕を誘ったのは
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外はあいにくの雨。


天気予報を見ていた颯斗君に

「その日はお部屋でデートをしませんか?」

と言われたのは1週間前。


でも




なんでこんな体勢になってるんだろう?


颯斗君の部屋に着いたとたん


私は颯斗君のベッドの上に仰向けに寝かされて






颯斗君が




私の上にのる気配と





“ぎしっ”



という木材が軋む音だけが響いた。






「はっ、はやとくん!!!!?」



突然のことに動揺して彼の名前を呼ぶけれど



「あぁ…やはり……」


彼は驚いている私の上で


なんだか考え事をしているらしくて


小さな声が聞こえたと思ったら



「ひゃあ!!!!」


いきなり背中に手を置いて


指先でなぞり始めた。



颯斗君の指は



肩や


背中


腰を



“すーっ”



となぞっていく。




くすぐったくて




なんだか分からないけど





恥ずかしくて





なんて声をかければいいか迷っていると





「凝っていますね。」



上から



申し訳なさそうな声がした。




「え……?」





もしかして




ずっと昨日のこと……



「すみません。先日の力仕事はあなたには酷なことでした。やはり人数を増やすべきでしたね。本当に……」


確かに昨日は1日生徒会の仕事で



最初のときに気にかけて


提案してくれた申し出を


断ったのは私自身なのに




颯斗君はずっとそれを




気にしてくれてたんだ。





颯斗君の言葉が本当に痛々しくて


「そんなに気にすることないよ!!私が颯斗君役に立ちたかっただけ…だか…ら……」


本音を大声で言ったあとふっと我に返った。


「…っ……」


大声で返した言葉が自分で言ったのに少し気恥ずかしくて




仰向けでよかった。



顔が赤いの




ごまかせる。




「それに私だって副会長なんだから自分にできることはしっかりやらなきゃ!!颯天君……心配してくれてありがとう。」


彼は微笑んで



背中ににあてていた手に力をいれた。


「本当に……あなたは………。こちらこそありがとうございます。せっかくですので、今日はこのまま僕にマッサージさせてください。」


私も微笑んで枕に顔を押しつける。


「じゃあお願いしちゃおうかな。私も後でかわるね!!」


「はい。楽しみにしていますね。」


そうして2人まったりした空気が流れていく………





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