ほしぞらの物語
□責任とってよね
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物音ひとつしない部屋でも
やっぱり少しの音はある
例えば暖房の音とか
冷蔵庫の音とか
風の音
車の走る音
そんな
外の音なんて
気にならないぐらい
私は
郁に
包み込まれていて
服が擦れる音
ベッドの軋む音
お互いの心臓の音
深い深い
「…んっ……ふ………ぁ………」
キスの音
郁の中
郁と
私の
音だけが
網膜を刺激する
息が
できないほどの
キス
密着する
身体
真っ白に
なっていく
頭
荒くなる
呼吸
やっと
絡まっていた
舌が
離れたと思ったら
「感じちゃった?」
なんて
耳元で
囁かれた言葉
それだけで
身体中の
機能が
停止してしまう
間近にある
郁の顔は
とても余裕そうに
微笑んでいて
ズルイ
また
私
ばかり
なんて
思った
.