黒崎眞弥詞1

□紫蝕
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人混みが蠢いて 其処には感情も無く
嬌声 嘆声 奇声 罵声
耳障りな雑音だけ

灰色の空の下澱み 昏く濁り混ざる雲に
混沌と渦巻いた白黒景色
疑心暗鬼取り憑かれては 纏わり付いて離れずに
貪り喰らい尽す迄 軋る耳鳴りが

とおりゃんせ とおりゃんせ
歪む信号機の音が…
とおりゃんせ とおりゃんせ
眩瞑 視界絞めつける

紫空に染まる

幾重にも織り成した岐路の何処かで
途切れ 跡切れる理想論は
脆く音を立て崩れてゆく
鳴り止まぬ不協和音

白にも戻れず黒にも染まれずな斑模様
思考 感情 表情 景色
希望、見い出せぬ日々の儘

疑心暗鬼取り憑かれては 纏わり付いて離れずに
蝕み喰らい尽くす迄 頭掻き毟る

とおりゃんせ とおりゃんせ
歪む信号機の音が…
とおりゃんせ とおりゃんせ
眩瞑 脳裏絞めつける

噎せる慟哭に…五月雨烟る

幾重にも織り成した岐路の何処かで
途切れ 跡切れる理想論は
脆く音を立て崩れてゆく
鳴り止まぬ不協和音
黒と白のボォダァラインに囚われ
蹲り耳を塞ぎ込んだ
紺碧はやがて緋に染まり

弧を描き舞う末路

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