黒崎眞弥詞1

□鬼遊戯
1ページ/1ページ


鬼 哭 啾 啾

振り向いて御覧よ 振り返って御覧よ
其処に佇む影と 這い摺り廻る哀れな傀儡

振り向いて御覧よ 振り返って御覧よ
騙し欺き被り 指差す「声」

あの子 と その子 この子 も 欲しい
金切る白声 静寂に沈め
手と手を叩き舌なめずりて
鬼さんこちら手の鳴るほうへ…

誰かさんも 誰かさんと 誰かさんが 転んでは
誰かさんが 誰かさんと 誰かさんも 摩り落ちた
赤黒く濁る空の夕焼小焼で縊死
重ねては 重ねては 輪廻されし浮世

蠢く其の隙間から覗く顔 鬼面の下の歪んだ嗤み
カラカぁラ廻る風車 逃げ惑う四肢は擦れ爛れ

赫い渓 河原の畔で ―だるまさんが転んだ―

あの子 と その子 何処へ参る?
その子 も あの子 も 黄泉へと歩く
手と手を絡め 指きりげんまん
繋がる両の手 無数の針が
手と手を叩き舌なめずりて
鬼さんこちら手の鳴るほうへ…

蠢く其の隙間から覗く顔 鬼面の下の歪んだ嗤み
カラカぁラ廻る風車 逃げ惑う四肢は擦れ爛れ
体を朱に染めなして 出ずる光へと手を伸ばし
舌先で転がす飴玉は 蕩けて落ちて砕け散った

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ