黒崎眞弥詞1

□蟲
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いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせすん

くるぅり廻るか故に眩暈は 捻れ捩れ悶ゑ転
縋るは蜘蛛の絲 仰け反り犇く

―地―獄―絵―図―

極彩ノ雨霰二射レ
濁世ハ阿鼻叫喚ノ宴
引キ攣ル顔ハ歪ニ歪ム
百八ノ数珠 四散 残塊

―おひたたし―

足許にて蜓り群れは
後ろ髪をも引き擦り輪姦し
残さす召しませは胚胎
孵化寸前 蟲卵
浮世と謳ひ彷徨ふ声は
咽び哭けと底に水は無く
燻る煙に燻され逝く
あはれ 奈落の底

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